今までデジタルカメラといえば、“コンパクトでスタイリッシュ”“若者向け”というイメージを打ち出したCMが定番であった。キヤノンの中田英寿、富士フイルムの蛯原友里(エビちゃん)、ニコンの木村拓哉など、いずれも若者に人気でカッコいいキャラクターばかりだ。
そんな中、パナソニックが“LUMIX”シリーズに加えた新製品『DMC-TZ3』。このCMに起用したのはなんと長山藍子と綾小路きみまろのコンビ!? デジカメ市場では“新機軸”といえる団塊世代をターゲットにしたイメージ戦略ではあるが、今までのイメージモデル浜崎あゆみに比べて強烈なギャップだ。
CMの内容もインパクトのあるものだ。
- きみまろズーム 孫の顔が大アップ 女房の顔にギブアップ (光学10倍ズーム)
- みにくい顔も とっても見やすい 大型液晶 (3インチ大型液晶)
- 広角28ミリで 元気なうちに みんな撮り (広角28mm)
- ブレるのは人生だけで十分です (手ぶれ軽減機能)
31日に行なわれた新製品発表会では、若者向けの『DMC-FX30』と団塊世代向けのDMC-TZ3がセットで紹介された。それぞれの世代を代表する(と思われる)女性モデルがカメラを手に壇上にあがり、ターゲットの違いを明確にアピールしていたのが印象的であった。
DMC-TZ3の機能自体もターゲットを明確にしてあり、光学10倍ズームや大型液晶パネルの採用は、目は悪くなってきたがまだまだアクティブに人生を送っており、旅行も好きな団塊世代に“ぴったりハマる”機能と言えるだろう。
現在、デジカメの普及率は高まり、市場は飽和しかけているという。今後メーカー各社は若者世代へのアピールだけではなく、中高年に向けた機能やイメージ戦略を打ち出すことが重要になってくるだろう。パナソニックの“きみまろ”戦略が新しい購買層を切り開く先陣となりうるのか。非常に興味深いところだ。