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スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典第117回

自由に分解してパーツ交換できるスマホ「Fairphone」が生まれた理由

2018年11月19日 17時00分更新

文● 山根康宏

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 スマートフォンをスペックや使い勝手ではなく、「フェアトレード」の観点から作り上げたFairphone。パーツを自分で交換できるモジュラーフォンともいえる製品をリリースしています。Fairphoneはどのようにして生まれたのか、そして今後どのような製品が出てくるのか。同社の歴史を追いかけます。

発展途上国に「フェア」な先進国向けスマートフォン

 世界中で販売されているスマートフォンも、製品になるまでに発展途上国の人々のかかわりは無視できません。中国や東南アジアの製造工場では若年者の不当労働行為がたびたび報道されますし、スマートフォンの部品に使われる貴金属類はアフリカなどの環境の悪い鉱山で採取されたうえ、不当に安い価格で取引されることもあります。特にコンゴ周辺で採集されるタンタル、タングステン、スズ、金の4つの金属は「紛争鉱物」と呼ばれ、武装集団の資金源にもなっています。

 先進国が途上国を搾取するかのような、不当な行為を無くすこと、それをフェアトレードと言います。Fairphoneはそのフェアトレードを考えるオランダのデザイナー、Bas van Abelが発案した製品で、部品調達から製造ルート、そしてコストまで明らかにできる部分はすべてオープンにするとされました。

 またスマートフォンを1~2年おきに買い替えることも、資源の無駄遣いだけではなく紛争鉱物の発掘を勧めるものになってしまいます。Fairphoneはスマートフォンの部品だけを交換することで新しいスペックの製品にアップグレードできることも考慮されました。なおグーグルが2013年11月に「Project Ara」を発表するなど、スマートフォンの廃棄問題とリユースによる解決はその後社会から注目されるようになります。

 さてFairphone初のスマートフォン「Fairphone 1」は2013年5月に製品がアナウンスされました。クラウドファンディングでは1万人以上の出資者が集まり、11月までに2万5000台を受付け、12月から出荷されました。スペックは4.3型960x540ドットディスプレーにSoCがメディアテックMT6589クアッドコア1.2GHz、メモリー1GB、ストレージ16GB、メインカメラ800万画素、フロントカメラ130万画素、2000mAhバッテリー。本体サイズは126x63.5x10mm、170g。価格は345ユーロでした。

フェアトレード精神から生まれたFairphone 1。パーツ交換は不能

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