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週替わりギークス 第101回

ひもQとパインアメで鎖の落下運動を実験してみた

2018年12月04日 17時00分更新

文● 五十嵐美樹

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 今回のテーマは、海外では“The Falling Chain”と呼ばれる鎖の落下運動についてです。普通のおもりと、長い鎖をつなげて一端を固定したおもりだと、どちらが速く床に落ちるでしょうか?

 「もの」は、質量が同じ/異なるに関わらず同時に落ちると習うため、そのイメージによって同時に落ちると予想される方も多いのではないでしょうか。

 しかし、実際には鎖につないだおもりの方が速く落ちていくのです! もしも本当だとしたら、落下運動における“同時に落ちる”というイメージを良い意味で払拭し、改めて関心を持つおもしろい実験だと感じました。

 そこで今回は、本実験を家で子どもたちと簡単にできるように、身近なものでアレンジし、試した結果をお伝えします。実際に実験しながら、原理について解明していきましょう!

ものは質量に関わらず、一定の速さで落ちる

 私たちはものを同じ高さから同時に落としたとき、質量が等しい/異なるに関わらず同じ時間で地面まで到達することをすでに知っています。すなわち、重いものでも軽いものでも同じ速さで落下していくということです。

 小学生に向けたサイエンスショーでも、ものが同時に落ちていく様子を知っている子どもたちが多く“予想が当たった!”と盛り上がります。

 これは、自由落下の等加速度直線運動の式がg=9.8m/s2(重力加速度)を使って、v=gtで表されるためです。質量(m)には依存しないため、重いものでも軽いものでも重力加速度を受けて同じ速さで落下することになります。

※ 比較するものが同じ形状、もしくは真空中など空気抵抗を考慮しなくて良い場合です。

 本法則から考えると鎖につないだおもりも、つないでいないおもりも(たとえ同じ質量だとしても、鎖の質量で後者が多少重くなったとしても)同じ速さで落ちると推測するのが一般的でしょう。

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