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スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典第94回

モバイル端末でのSNS需要を見込んだが撃沈 約10年の時代を先取りし過ぎた「INQ」

2018年06月10日 17時00分更新

文● 山根康宏

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 今や生活に欠かせないものとなったSNS。スマートフォンを買ってもSNSばかりしか使わないという人も多いかもしれません。ならばSNSに特化した端末がでてきてもよいですよね。実は今から10年も前に、INQ MobileがSNSに特化した端末を手掛けていました。今回は短い歴史で幕を閉じてしまった同社を紹介します。

キャリア向けの低価格なSNSフォンを発売

 INQは香港のコングロマリット、ハチソン・ワンポアの子会社として2007年に創業し、ロンドンなどにオフィスを構えました。各国で3Gサービスの普及が広がる中、ヨーロッパや香港で3Gを提供するハチソンの子会社の通信キャリア「Three」(3、スリー)向けに低価格な3G端末を提供することを目的として同社は設立されたのです。Threeは2003年の3G開始当初はNECとモトローラから3G端末の供給を受けていましたが、端末のサイズは大きく、使い勝手も含め2G端末より見劣りしていました。

 2004年にLGから薄型折り畳み端末の供給を受けようやく他キャリアと競争できる環境になったものの、後発のThreeは新興キャリアであり、料金で勝負せざるを得ませんでした。すなわち各国で3G専用キャリアとしてスタートし先進性をアピールしたものの、実情は「格下キャリア」だったのです。Threeに目を向ける新規顧客は低料金、低価格端末を求めましたが、当時の3G端末は価格が高めのものしかなく、顧客獲得に苦労しました。

 そこで開発された端末が「INQ1」でした。発売は2008年の年末。縦スライド式のフィーチャーフォンで、Brew OSで動きSkype、Facebook、Twitter、eBay、Myspace、Windows Live MessengerなどのSNS系アプリがビルトインされていました。「3Gの高速回線でSNSができる低価格ケータイ」として世界各国のThreeから発売になりました。

SNSアプリ満載のフィーチャーフォン、INQ1

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