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見られたくないデータは死んでも隠し通したい! 古田雄介の「恥よ! 墓へ!」 第19回

いつのまにか数百万の負債に、デジタル遺品の落とし穴はFX

2017年04月30日 17時00分更新

文● 古田雄介

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昔VHS、いまHDD
現状は廃棄されることが多い

 前回に引き続き、遺品整理の現場に残ったデジタル遺品の行く末をみていきましょう。

 亡くなった人の発見が遅れると、腐敗した身体が部屋を汚すことがあります。腐敗が進むと悪臭が部屋に充満するのはもちろんのこと、腐汁が床やその下のコンクリートまで染みこんでしまったり、ウジからハエが大量発生して部屋中で世代交代を繰り返したりもします。お隣さんが異臭に気づいて様子を見にいく頃にはもう……ということもよくあります。

 そうなると普通の遺品整理では対応できなくなるので、汚れや臭いを取り除く専門処理である「特殊清掃」の工程を経る必要が出てきます。部屋の状態によっては特殊な溶剤や機械で汚れを除去したあと、畳やクロスを張り替えることで対応できますが、コンクリートまで染みこんだ場合はその部分を削って再構築する大規模な工事が必要になります。そうした処理をしたうえで、部屋に残った遺品を整理することになるわけです。

 とまあ、自分ごととしてなかなかに想像したくない事態かもしれませんが、特殊清掃を専門にする会社が全国に少なからずあるほどには、普通に発生しているできごとでもあるわけです。

 その特殊清掃を専門とする「事件現場清掃会社」を2006年に立ち上げた高江洲(たかえす)敦氏は、現場に残されているデジタル遺品の傾向についてこう語ります。

今週のポイント

遺品整理。故人の住まいや部屋にある物品を適切に処分して、対象空間をきれいな状態に整える専門サービス。遺体が腐乱して汚れている場合は、特殊清掃という別の専門技術を要することもある。※写真はイメージ

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