ASCII倶楽部

このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

倶楽部のAV特集 第7回

スマホのカレンダーやネット画像を表示するのが面白い!

壁や床がディスプレーに! 超短焦点プロジェクターのススメ (1/5)

2017年04月21日 21時30分更新

文● 鳥居一豊 編集●ハシモト

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
イメージ

 映画やテレビ番組を映画館のような大画面で楽しみたいと思う人は多いはず。しかし、60V型を超える大画面の薄型テレビはかなり高価になってしまうし、一度設置してしまうと、場所の移動はほとんどできない。

 一方、100インチを超えるような大画面を楽しめるプロジェクターは、安価なモデルも多い。ただ、投射距離などの関係から設置場所が限定されるため、比較的広い部屋でないと大画面表示が難しく、そのまま常設して使うとしても邪魔になってしまう。

 ところが、そんな大画面がかなり容易かつ低予算で実現できる製品が登場しはじめている。それが超短焦点プロジェクターだ。

 本来ならば100インチ表示ならば2~3mが必要だった投射距離をほんの数10cmという短い距離としたもの。壁際に設置するだけで、100インチ近いサイズの大画面が手軽に実現できるのだ。

 そんな超短焦点プロジェクターとして、ソニー「LSPX-P1」とLG「PF1000UG」を詳しく紹介。さらに、さまざまなコンテンツやスマホ用アプリでの活用例などにも触れ、その魅力に迫っていきたい。

超短焦点プロジェクターのメリットとデメリット

壁面投射でスマホアプリ「千葉ロッテマリーンズカレンダー」を表示。千葉ロッテマリーンズの試合日が一目でわかる

壁面投射でスマホアプリ「千葉ロッテマリーンズカレンダー」を表示。千葉ロッテマリーンズの試合日が一目でわかる

XINGのカラオケアプリ「カシレボ!JOYSOUND」を表示。プライベートスペースでのカラオケ練習や友達を集めてのパーティにうってつけと言えるかも

XINGのカラオケアプリ「カシレボ!JOYSOUND」を表示。プライベートスペースでのカラオケ練習や友達を集めてのパーティにうってつけと言えるかも

 まずは超短焦点プロジェクターのメリット/デメリットを紹介しよう。メリットは、壁際に置くだけで100インチ前後のサイズが実現できること。32インチくらいの薄型テレビと同等か、それ以下のスペースで設置できる。

 設置性が優れるということは、いろいろな場所に持ち運んで使えるということ。リビングのテレビを置く場所に常設してもいいし、ベッドルームに持ち込んだり、プライベートルームで使うなど、さまざまな場所で使える。

 しかも、投射距離によって画面サイズは自由に調節できる。自由に持ち歩けてサイズが選べるというフレキシブル性はいわゆるテレビにはなかった魅力だ。

 超短焦点プロジェクターは、いわゆるプロジェクターの設置性を大幅に向上させたものと言えるが、そのために犠牲になっている面も少なからずある。

 画質関連では、明るさ(画面輝度)がそのひとつ。コンパクトなサイズということもあり、画面輝度はけっして高くなく、明るいリビングで使うにはやや厳しい。カーテンなどで遮光したり、部屋の照明を消すといった環境で使うことが必要で、その点では薄型テレビと比べて使いやすさには差が出る。

ソニーが5月20日に発売予定の「VPL-VZ1000」

ソニーが5月20日に発売予定の「VPL-VZ1000」

 さらに、4K解像度やHDRといった最新の映像技術への対応は十分ではない。超短焦点プロジェクターで4KやHDRが実現できないというわけではなく、ソニーは5月20日に「VPL-VZ1000」という4K対応の超短焦点プロジェクターの発売を予定しているが、希望小売価格は220万円と高い。

 そして、1号機と比べて小さくなったとはいえ、まだまだラックやテーブルに近い大型サイズだ。

 まだ生まれたばかりの製品ジャンルということもあり、高画質や最新技術を投入しようとすると、急激に価格が高騰してしまう傾向がある。最大120インチで200万円と考えると、同サイズの液晶テレビと比べてもスペックは同等で、価格的には同じか安いくらいなのだが、決して一般的な価格でないことは確かだ。

 簡単にまとめると、大画面表示を考えると設置場所や省スペース性では圧倒的と言えるが、画質や解像度の点では薄型テレビや従来のプロジェクターの方が優位となる。

 今回紹介するのは、ハイビジョン解像度で価格的にも10万円ほどと手頃なモデルなので、画面サイズをとるか、画質をとるかが、大きな選択のポイントとなるだろう。

どこにでも持ち運べるポータブル型
スマホ連携もできるソニー「LSPX-P1」

ソニー「LSPX-P1」。左のプロジェクター部は高さ131mmほどの大きさで、片手で軽々と持ち運べるサイズ。右はワイヤレスユニット

ソニー「LSPX-P1」。左のプロジェクター部は高さ131mmほどの大きさで、片手で軽々と持ち運べるサイズ。右はワイヤレスユニット

プロジェクター部の背面に接続端子部にあるのは、充電/給電用のACアダプター端子のみ。別売の専用スタンドとの接続端子もある

プロジェクター部の背面に接続端子部にあるのは、充電/給電用のACアダプター端子のみ。別売の専用スタンドとの接続端子もある

 まず紹介するのはソニーの「LSPX-P1」(実売価格 9万円前後)。手の平に乗るサイズのポータブル超短焦点プロジェクターだ。

 ポータブルと名乗っているのは、本機がバッテリーを内蔵し、AC接続なしで約2時間の使用ができるため。

 しかも、Wi-Fi、Bluetoothでワイヤレス接続ができるので、映像機器を直接接続する必要がない。プロジェクターだけを手軽に持ち運んで、好きな場所で使うことができるのだ。

 製品の構成は、ポータブルのプロジェクターと、AV機器などを接続するワイヤレスユニットの2つ。

ワイヤレスユニットは、幅135mmの薄型フォルム。電源スイッチなどはなく、スマホ操作で入力を切り替えると自動で電源が入る

ワイヤレスユニットは、幅135mmの薄型フォルム。電源スイッチなどはなく、スマホ操作で入力を切り替えると自動で電源が入る

ワイヤレスユニットの背面にある接続端子。HDMI入出力が1系統あり、薄型テレビなどとの併用も可能。AV機器を赤外線でコントロールできるAVマウス端子もある

ワイヤレスユニットの背面にある接続端子。HDMI入出力が1系統あり、薄型テレビなどとの併用も可能。AV機器を赤外線でコントロールできるAVマウス端子もある

 ワイヤレスユニットはHDMI入出力を1系統備えており、BDレコなどのAV機器やPCなどとの接続が可能。プロジェクターとは5GHz帯のWi-Fiで接続するため、使用するにはWi-Fi環境が必須だ。また、操作や設定のためにスマホ(iOS、Androidに対応)が必要となる。

 ワイヤレス接続の設定などは専用アプリ「ソニー超短焦点プロジェクターアプリケーション」で行なう。最初にBluetooth接続でプロジェクター部と接続し、その後に、プロジェクター部、ワイヤレスユニット部とのWi-Fi接続設定が行われる。基本的な設定はこれで完了だ。

 次ページ以降(アスキー倶楽部会員向け)では、LSPX-P1の実際の設定方法や投影すると面白い・便利なスマホアプリの紹介、さらにLGの短焦点プロジェクター「PF1000UG」も紹介していく。

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII倶楽部の新着記事

会員専用動画の紹介も!