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週替わりギークス第14回

スタートアップも集まる大人の学び場「熱中小学校」って何?

2016年11月08日 17時00分更新

文● 江渡浩一郎

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この連載は江渡浩一郎、落合陽一、きゅんくん、坂巻匡彦が週替わりでそれぞれの領域について語っていく。今回は江渡浩一郎が教諭をつとめる「熱中小学校」の事例を紹介する。

 前回に引き続き、私が取り組んでいるプロジェクトを紹介する。

 「熱中小学校」をご存じだろうか? 山形県高畠町を舞台として展開されている「大人」向けの学びの場だ。

 旧時沢小学校という、今は使われていない小学校の校舎を再利用している。名前の由来は、以前水谷豊が主演した「熱中時代」というテレビ番組にて、この小学校が舞台となったことがあるそうだ。偶然から来たネーミングだが、とても良い名前だと思う。

 私はプロジェクトが始まる前にオフィスコロボックル代表の堀田一芙氏よりお話を受け、「教諭」として参加させていただくこととなった。

 熱中小学校の取り組みは、基本的には授業をモデルにしている。1期は半年で、毎週土曜日に授業があり、毎回2名の教諭が1時間ずつ授業をする。教諭は現役スタートアップの社長など、いままさにおもしろい話ができる旬な人が集まっている。

 大人向けの学びの場というと講演会シリーズのようにしてしまいがちである。だが、その場合興味のある先生の話を聞くだけということになってしまう。熱中小学校では授業をモデルにしているため、全回参加が基本となっている。興味がない話でも聞いてみると興味がわき、そこから新しいなにかを見つける場合もあるためだ。。

 私は2期目の初回の授業(2016年4月9日)を担当。私が現在進めているニコニコ学会βなどのプロジェクトを紹介し、そこから「共創型イノベーション」の概念を説明した。この言葉は私の研究における造語だが、多数の人を巻き込む形で新しいなにかを生み出す手法を意味している。

 ニコニコ学会βの中でも特にニコニコ学会β運動会部の取り組みを中心に紹介し、ニコニコ学会β運動会部部長 犬飼博士氏、運動会屋(NPO法人ジャパンスポーツコミュニケーションズ代表理事)米司隆明氏の3人で授業を構成した。

 しかも、この授業は単なる取り組みの紹介ではなく、まさにこの熱中小学校を舞台として共創型イノベーションを実践してみる試みだった。授業の後半、全員で体育館に移動し、小規模なアイデアソンの形式でその場で運動会競技のアイデアを考えた。

 みんなに紙にアイデアを書いてもらい、それを床に並べ、良さそうなアイデアに投票し、選出した。短時間だが、そんなプロセスを回したのだった。そして授業の終わりに、実際に熱中運動会の実現に向け、20~60代の12名の男女で「熱中小学校 運動会部」が結成された。

 運動会部は、その後7回もの打ち合わせを重ね、尽力されることとなった。犬飼氏、米司氏もサポートに回った。そのような関係者の努力のおかげで、運動会が実現されることになったのだ。

 2016年9月18日、「第1回熱中運動会」の開催である。場所はもちろん熱中小学校。あいにくの雨模様となり、会場は屋外のグラウンドの予定だったが、急遽屋内の体育館に移すことになった。参加者は、99名(5~78歳の男性52名、女性47名)。4チームに分かれて運動会が始まり、独自に考え出された4つの競技をすることになった。

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