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もしもツンデレ女子高生がBDを使うことになったら ― 第2回

機械オンチの女子高生が、写真のアーカイブに挑戦!

ツンデレ少女、BDに出会う【後編】

2012年07月27日 11時00分更新

文● 藤春都 イラスト●布袋あずき

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そして、文化祭当日――

 文化祭は盛況だった。

 なにしろうちは名が知れた高校だから、よその学校の生徒、受験生とその保護者とお客さんはたくさんいて、一般公開日は飾り付けを壊さないよう歩くのが大変なくらいだ。

 生徒会の展示も好評だった。驚くことに、あの山のような写真とビデオは全部すっきりと整理されてスクリーンに順に映し出されていたのだ。悔しいけど「ディスク一枚」は正しかったみたい……いったいどういう魔法なんだろう?

 人混みの中を苦労して探し回って、私はようやく奴を見つけた。

「何ですか」

 また女の子をこっぴどく振っているのかと思ったけど、赤司は珍しく一人で焼きそばを食べていた。……この男にもいちおう買い食いという概念があったことにびっくりだ。

「ありがと。あれ、やってくれたのあんたでしょ?」

 断っておくけど、私は今でもこいつのことが嫌いだ。でもだからといって、手伝ってもらってばっくれるような卑怯者でもないのよ。お礼ひとつで今後後ろめたい思いをしなくてすむなら安いものだし。

「……ああ。別にたいしたことではありませんよ」

「何よそれ、首席の自分なら余裕で終わったって言いたいの!?」

「いいえ、葵さんの弱味を握っているのは僕一人のほうが面白いと思っただけです」

「なっ……」

「いやあ、万能のクラス委員の葵さんがまさかあそこまで機械苦手だと思いませんでしたから。……ぷぷっ」

「あんた今すごく私のことバカにしたわよね!?」

「そんな滅相もない。……ああ、これからもっと楽しめそうです」

 にやにや笑いながら、焼きそばを手に立ち去る奴を私は呆然と見送るしかなかった。

 ちょっと……そう、ほんの少しだけ「いい奴だ」と思った私がバカだったわ。あの男はやっぱり私の天敵で、性格最悪の女の敵。

「いつか吠え面かかすッ!」

 文化祭の人混みのまっただ中で、私は叫んだ。

著者紹介――藤春都

 ライトノベル書き。筑波大学図書館情報専門学群卒。特技は本を腹の上に載せたまま寝ること。企画書を没られたりプロットを没られたり細かな記事を書いたり色々してます。単行本は『ミスティック・ミュージアム』(第二回ノベルジャパン大賞<佳作>受賞作)、『空想/のべりずむ』、『瑠璃色の刃と朱色の絆』(すべてホビージャパンより刊行)。現在、新作準備中……のはず。たぶん。

 ウェブサイトは『Claymore』、Twitterは@fujiharu

イラスト――布袋あずき

 ドレスと猫をこよなく愛する漫画家。単行本に『小公女(マンガジュニア名作シリーズ)』(学研教育出版)。現在夏バテ中。

 ブログ『本当は萌える!源氏物語』では、源氏物語の漫画を連載中。twitterは@genjihikaru

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