このページの本文へ

中堅企業にDell Technologiesが伝えたい「2019年にやっておくべきこと」 第2回

サポート終了をきっかけに考えたい、物理サーバー/HCIそれぞれへの移行メリット

中堅企業のWindows Server 2008、最適な乗り換え先はどれか?

2019年07月19日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: Dell Technologies

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 マイクロソフトのサーバーOSである「Windows Server 2008」および「Windows Server 2008 R2」の延長サポート期間が来年初頭、2020年1月14日に終了する。この日以降はマイクロソフトのセキュリティ更新プログラムが配信されなくなるため、Windows Server 2008/R2サーバーをそのまま使い続けるのは大きなビジネスリスクとなる。そうしたサーバーがまだ社内にある企業は、いち早く乗り換え作業を進めなければならない。これは皆さんもご承知のとおりだ。

Windows Server 2008/R2の延長サポートは2020年1月に終了する

 ただ、Windows Server 2008/R2の提供が開始されたのは10年以上も昔のことだ。現在では、物理サーバーにサーバーOSをインストールするかたちだけでなく、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)の利用、パブリッククラウドサービスの利用など、さまざまな移行形態が考えられるようになっており、それぞれにメリットがある。

 Windows Server 2008/R2からの乗り換えをきっかけとして、自社にとって最適な移行先を検討してみてはいかがだろうか。Dell Technologiesでは、中堅企業(従業員100~999名規模)における移行の検討と実作業を強力にサポートできる。以下本稿では、それぞれの移行先について紹介していこう。

ハイブリッドクラウド活用が容易な最新サーバーOS、Windows Server 2019

 まずは移行先となるマイクロソフトの最新サーバーOS、Windows Server 2019について、その特徴を簡単に見ておこう。

 Windows Server 2019の大きな特徴が、オンプレミスとクラウドという2つの環境間をシームレスにつないでハイブリッドクラウド環境を実現し、これまでの運用業務を簡素化/効率化してくれる点だ。特に、同じマイクロソフトが提供する「Microsoft Azure」クラウドとの親和性は高い。

 たとえばWindows Server 2019でファイルサーバーを構築する場合、新しい管理ツール「Windows Admin Center」を使って簡単に、クラウドストレージサービスである「Azure Files」と連携(同期)させる設定ができる。オンプレミスのファイルサーバーにファイルを保存すると、それがクラウドストレージにも自動的に保存されるかたちだ。

Windows Server 2019のGUI管理ツール「Windows Admin Center」(Azure Backupの管理画面)

 これにより、オンプレミスのファイルサーバーを従来どおり使いながら、使用頻度の低いファイルデータは自動的にクラウドに退避させてローカルストレージの圧迫を防ぐ“ハイブリッドファイルサーバー”を簡単に構築できる。また複数の拠点に設置されたファイルサーバー間で、Azure Filesを介してファイル内容を同期させるような使い方も可能だ。

 同じように、Windows Server 2019では、クラウドバックアップサービス「Azure Backup」やクラウドDRサービス「Azure Site Recovery」との連携も簡単に設定できるようになっている。これまで、遠隔地へのデータバックアップやDRサイトの構築は高いコストがかかるため難しかったが、こうした仕組みがもともと備わっていれば実現しやすいだろう。

Windows Server 2019は、Microsoft Azureのサービスと簡単に連携できる

 社内の業務PCにWindows 10を採用している場合は、Windows Server 2019の標準機能である「Windows Server Update Services(WSUS)」を利用して、社内PCのWindows Updateを一括管理できるメリットがある。

 Windows 10ではセキュリティアップデートなどの品質更新プログラムが毎月1回、機能更新プログラムが半年に1回と、比較的短いサイクルで定期的にリリースされる。IT管理者は、社内のPCが確実に更新プログラムを適用するように管理しなければならない。WSUSを使えば、社内PCの更新状況を一括して把握できるほか、IT管理者が業務アプリケーションの動作検証を行った後に更新を実施するといった制御ができる。更新プログラムは社内サーバーから配信するかたちとなるため、社内PCが一斉にインターネットアクセスして帯域を圧迫するような事態も起こらない。

 そのほかにもWindows Server 2019では、最新のサーバーハードウェアに対応したパフォーマンス向上、セキュリティ強化など、多数の機能改善点がある。10年前のWindows 2008/R2から移行することで、IT管理者も社内ユーザーも生産性向上という大きなメリットを得られるはずだ。

物理サーバーへの移行:パフォーマンスも管理性も高い第14世代PowerEdge

 10年前と比べれば、物理サーバーも格段の進化を遂げている。処理スピード、パフォーマンスはもちろんのこと、自動化を含む管理性やセキュリティ性、省電力性にも大幅な向上が見られる。ここでは業界ナンバー1の出荷台数(※出典:IDC Quarterly Server Tracker, 2018Q4)を誇るDell EMCの最新サーバー「第14世代 Dell EMC PowerEdge」シリーズの特徴を見てみたい。

 最新のインテル® Xeon® スケーラブル プロセッサーを搭載したPowerEdgeシリーズは、40機種に及ぶ豊富なラインアップを展開しており、ユーザー企業は自社の導入目的に最適な1台を選ぶことができる。サーバー形状(タワー型/ラックマウント型/モジュラー型)、搭載するCPUコア数やメモリ容量、ストレージ容量が柔軟に選べるので、逆に迷ってしまうかもしれないが、中堅企業向けには規模/用途別の「サーバー選定ガイド」ページも用意されている。無駄のないIT投資が可能だ。

Dell Technologiesの「サーバー選定ガイド」ページ。企業規模/用途/形状に基づいて最適なサーバーが選定できる

 高度なワークロード向けの拡張性にもすぐれている。特に、第14世代のPowerEdgeでは不揮発性メモリのNVDIMMや超高速フラッシュストレージ(NVMe SSD)を多数搭載できる設計になっているため、データベース用途やデータ分析用途において大幅なパフォーマンス向上が期待できる。

 管理面では、Dell EMC独自の最新管理専用チップ「iDRAC9」を搭載しており、HTML5のWebコンソールを通じてハードウェアレベルでの情報取得/監視/管理/制御操作が可能だ。たとえば新機能の「コネクションビュー」を使えば、ありがちなネットワークケーブルの接続ミスを簡単に発見できる。また、BIOSやファームウェアレベルでのサイバー攻撃を防ぐ「システムロックダウン」機能、Dell EMCへのサポート依頼の際にログ情報をまとめて閲覧できる「サポートアシスト」機能なども備えており、IT管理者の作業効率化を実現する。管理ツールの「OpenManage Enterprise」を通じて複数台の一括管理、スクリプトによる管理自動化なども実現する。

 なおDell EMCでは第14世代 PowerEdgeサーバー全機種を対象として、Windows Server 2019のプリインストールモデルも提供している。サーバーが納入されてすぐに設定が始められ、IT管理者の作業工程が短縮されるメリットがある。

Dell EMC PowerEdgeサーバーラインアップ(1ソケット/タワー型の例)

HCIへの移行:スケールアップが容易な「Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCI」

 現在進行中の「デジタルトランスフォーメーション(DX)」においては、企業が保有するデータの活用が大きな鍵を握っている。そのため、大量の業務データをストレージに保存しておきたいという企業ニーズも高まっている。だが、それが将来的にどの程度の量になるのか見通しが立たず、ストレージ導入時のキャパシティプランニングに悩むIT管理者は多い。

 そのソリューションとして近年注目されているのが、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)だ。HCIではサーバー内蔵ドライブと分散ストレージ技術を利用して、ストレージ容量が足りなくなった段階でノード(サーバー)をクラスタに追加するだけで、ストレージプールの容量を拡張できる環境を提供する。最初の段階では必要なストレージ容量が不明であっても、後から柔軟にスケールアウトできる点が大きなメリットだ。

 Windows Server 2019では、こうしたHCIを実現する「記憶域スペースダイレクト(S2D:Storage Spaces Direct)」が標準機能として搭載されている。複数台のサーバーが内蔵するドライブをまとめて巨大なストレージプール(最大4ペタバイト)を構成し、ファイルサーバーや仮想化環境のストレージとして利用できる。

 Dell EMCでは、このS2DとHyper-V仮想化の事前検証済みサーバー「Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCI」をラインアップしている。2U/1Uで多数のモデルが用意されており、搭載ドライブも、利用目的とパフォーマンス要件に応じてオールフラッシュ(NVMeドライブ、SSD)とハイブリッド構成(NVMe+HDD、SSD+HDD)から選択が可能だ。

 Solutions for Microsoft Azure Stack HCIでは、OS標準機能でHCIを実現するAzure Stack HCIに最適化されたサーバー設計と検証がなされている。S2Dに最適化されたBIOSや初期設定、専用の保守サポートや導入サービスも提供しており、初めてのHCIであっても安心して導入できる仕組みが用意されている。

「Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCI」として、現在はPowerEdge R740xd S2D Ready Node、R740xd2 S2D Ready Node、PowerEdge R640 S2D Ready Node、PowerEdge R440の4機種をラインアップ。用途に合わせ、全16種類のストレージ構成オプションから選べる

移行先に迷った場合はDell Technologiesの「ITコンシェルジュ」にご相談を

 以上、Windows Server 2008/R2から考えられる移行先として、最新の物理サーバー、HCIをご紹介してきた。このほか、Azureやその他のIaaSへのサーバー移行(リホスティング)という手段も考えられる。

 「結局どれが最適な移行先なのか?」と質問されるかもしれないが、Windows Serverの利用目的やシステム規模、求める拡張性、さらにITの運用管理体制/人員といったユーザー企業の現状によって「最適な移行先」の答えはまちまち、というのが実情だ。自社の現状と今後のIT戦略をしっかりと把握し、検討していく必要があるだろう。

 だが、特に中堅企業においてはIT管理者の人員が減少しており、“ひとり情シス”や“ゼロ情シス(兼任IT担当者)”の企業が増えている。その他の業務に忙しく、じっくりと検討する時間すらないというIT担当者も多いのではないか。

 そうした場合は、ぜひともDell Technologies(デル 広域営業統括本部)の「ITコンシェルジュ」に相談してみてほしい。Dell Technologiesでは中堅企業のIT戦略、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する数々の施策を打ち出しており、ITコンシェルジュはそのひとつだ。

 ITコンシェルジュは、ITコーディネータ資格や情報セキュリティマネジメント資格を持つなど、ITインフラとクラウドサービスに対する広範な知識を持ち、なおかつ中堅企業におけるITの実態もよく知るスペシャリストだ。Windows Server 2008/R2の移行についても、顧客企業の現状や今後のIT戦略を理解し、そこから最適な移行プランを提案できる。

 さらにDell Technologiesでは、中堅企業がビジネスIT戦略を考えていくための全国セミナーや資料オンライン提供も実施している。こうしたものも活用して、Windows Server 2008/R2移行を“業務IT刷新のチャンス”として生かしていただきたい。

(提供:Dell Technologies)

カテゴリートップへ

この連載の記事
  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード