このページの本文へ

「ビットコインは詐欺」と呼んだJPモルガン、独自の暗号通貨を発表

2019年02月19日 11時27分更新

文● Mike Orcutt

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモン最高経営責任者(CEO)がビットコインを「詐欺」呼ばわりしていた頃から、わずか2年足らずしか経っていない。ところが14日、ダイモンがCEOを務める銀行は、「JPMコイン」という独自の暗号通貨の実証実験を近日中に開始する計画を発表した。

銀行発行のビットコインなのか? それはまだまだ先の話だ。JPモルガンが発行する新しい暗号通貨は大企業間の決済に利用しようと考えている。JPモルガンのWebサイトのFAQによると、JPMコインは米ドルに対して1対1 の交換率で換金できる。JPモルガンは世界中で顧客に代わって6兆ドル以上の資金を動かしており、あと2〜3カ月で始まる実験では、自社製ブロックチェーンを使ってそれらのごく一部の支払いをする計画だ。

ビットコインのような暗号通貨と異なる点は、ビットコインがパブリック型ブロックチェーン・ネットワーク上で取引されるのに対し、 JPMコインは「クオラム(Quorum)」という独自のプライベート型のブロックチェーンで発行されることだ。新しいトランザクションを承認するコンピューター(ビットコインでは「採掘者=マイナー」)は、ネットワークに加わる許可が必要となる。JPモルガンによると、JPMコインは「やがて他のプラットホームへも拡張され」、そして「すべての標準的なブロックチェーン・ネットワーク上で運用可能」になるという。

暗号通貨とブロックチェーン・テクノロジーの未来にとって、JPMコインは何を意味するのか? その答えを知るには、まだ時期早尚だ。草分け的な動きとなるはずだが、ただの試作品であり、実験が予定されているにすぎない。現実世界でJPMコインがいかに通用するのか、静観することにしよう(「Will people ditch cash for cryptocurrency? Japan is about to find out」参照)。

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ