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センサー1兆個の暮らしがやって来る 求められる技術と課題は

コンビニ、流通、一次産業で進む変革

連載
アスキーエキスパート

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国内の“知の最前線”から、変革の先の起こり得る未来を伝えるアスキーエキスパート。ソニーセミコンダクタソリューションズ(株)の田谷圭司氏によるイメージングとセンシング領域におけるイノベーション最新動向をお届けします。

 「トリリオンセンサー(Trillion Sensors)」という言葉があるということを、前回の最後に述べました。2022年には、今の数十倍にあたる1兆個のセンサーが世の中にあふれるということを表す言葉です。現在の世界の人口は、75億人なので、1人あたり150個のセンサーを使用することになります。これらのすべてが、インターネットにつながり、さまざまな「モノ」や「サービス」に使われるのです。

 現在のようにイメージセンサーが日常的に使われるようになったのは、30年ほど前のビデオカメラからです。当初は高級品で誰でも持っているという状況ではありませんでした。10年ほど前までは、デジタルカメラや携帯電話で1人1個程度になり、そして、現在はスマホや、ゲーム機、街中の防犯カメラなど1人あたり10個程度のイメージセンサーを使っていることを考えると、今後さらに数が増えることは、十分想像できます。

 トリリオンセンサーの世界を牽引する要因は、間違いなくAIや機械学習の進歩です。これまで、人がやってきたこと、人間しかできなかったことの多くが、コンピューターやロボットによって置き換えられていきます。

 そうなると、写真を撮るといった生活の一部ではなく、生活のすべてにイメージセンサーが使われることになるのです。「ゆりかごから墓場まで」「朝起きてから寝るまで」ずっとイメージセンサーが生活を助けることになります。それがどういうことか、実例を挙げながら見ていきたいと思います。

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