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中国の嫦娥4号、人類初の「月の裏側」にまもなく着陸か

2019年01月03日 12時16分更新

文● Erin Winick

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2018年12月8日に打ち上げられた嫦娥4号(Chang’e 4)は、人類未踏の地への旅をまもなく終えようとしている。

チャイナ・デイリー(China Daily)は週末にかけて嫦娥4号が月周回軌道に乗り、月面上空15キロメートルの高さを通過したと報じた。嫦娥4号は中国標準時の1月3日(UTC:協定世界時の1月4日)に、月の裏側にある大きな深い盆地への着陸を計画しているという。ただし、いまのところ中国の正式発表はない。

無事に着陸に成功すれば、電波天文学に関するさまざまな実験を実施し、月の重力下で植物が生育できるかどうか検証する予定だ。月の裏側は、地球や軌道望遠鏡の干渉を受けないため、電波を利用した宇宙研究に最適な場所として期待が寄せられている

中国月探査計画が2004年に開始されて以来、中国国家航天局(CNSA)は2機の無人月軌道探査機、嫦娥1号と2号を打ち上げ、3号においては月面への着陸と探査に成功している。嫦娥3号は1976年以来初めて月面着陸に成功した探査機となったが、あまり広範にわたる探査はできなかった。およそ1カ月後に、月面を走行する機能を失ったからだ。今回の嫦娥4号がそのミッションに成功すれば、中国が世界の宇宙大国として躍り出るための重要な足がかりとなるわけだ。中国は2019年後半に打ち上げが予定されている嫦娥5号で、月で採取したサンプルを持ち帰る計画も立てている。しかし、今回の月面着陸の成功については何の保証もない。『China In Space』の著者ブライアン・ハービーはクオーツ(Quartz)の取材に対して、嫦娥4号が着陸に成功する確率は約50%しかないと述べた。

月への訪問客は今後大幅に増えそうだ。米国やインド、日本、ロシアもこぞって月探査機の打ち上げ計画を立てている。2019年にはグーグル・ルナ・エックス・プライズ(Google Lunar X Prize:民間による月面無人探査を競うコンテスト)の出場チームが宇宙船の打ち上げに挑戦する予定で、初の民間月面着陸も期待されている。

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