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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第24回

来年「綱渡り」になりそうなiPhone:

アップルiPhoneビジネス転換のとき

2018年12月25日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●iPhone関税は当面回避か

 アップルにとっても消費者にとっても肝が冷やされたのは、トランプ大統領が「iPhoneやラップトップ製品にも10%の関税をかける」と発言したことでした

 これは11月26日、G20以前の発言で、もちろん予定されていた中国との習近平国家主席との会談を意識しての発言だったと思われます。

 ただし昨今、アップルの株価は貿易問題の行方に完全に連動しており、つまりトランプ大統領の発言やツイートに反応するようになっています。結果として前述の発弁でも株価は2%急落し、マイクロソフトに時価総額で追い抜かれる場面も見られました。

 ちなみにトランプ大統領は2018年9月に、「iPhoneへの関税を回避する方法は米国製造へと切り替えることだとTwitterで助言しています

 G20に合わせてアルゼンチンで開かれた米中首脳会談では、新たな関税の行使を90日間延期し、その間に米国が要求している中国の知財侵害や技術移転の強要、サイバー攻撃、貿易不均衡の是正に取り組むことになりました。こうして、直近のiPhoneへの関税は回避されたとの見方でした。

 ところが12月4日、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は800ドル近い下落で引けています。再び、米中貿易戦争の懸念が拡大したことが理由で、テクノロジー企業の株価も4〜6%下落となりました。

 引き金になったのは、トランプ大統領の「私は関税マン」(I am a Tariff Man)というツイートでした。トランプ大統領はツイッターを使い、国家間のこうした緊張状態をゆるめずコントロールし続けているのです。

 そしてアップルを含む米国の企業は、こうした発言を注意深く見守る必要があります。それだけ中国とのビジネス関係が深いことの裏返しでもあります。

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