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VRの解像度は設定により大幅に変わる!

Core i9-9900K&RTX 20シリーズでVIVE Proの動作状況を徹底検証

2018年12月18日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラ ハッチ

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「VRChat」編
RTX 2080でも90fps維持は難しい

 最後に「VRChat」でも簡単に試してみた。検証方法はロビーに立ち、下図のような視点で周囲を眺めるだけ。この手のアプリでは周辺にいるプレイヤーの数で大きく性能が変わったりするが、今回は視界に入る他プレイヤーは3人以下という縛りで計測した。ただ他プレイヤーの動きを完全に制御できない関係上、今回実施した他の検証に比べ、確度という点ではやや劣る点は否定できない。

検証に使った場所はここ。自分の部屋だと狭すぎかつオブジェクトが少なすぎるのでここを選択した

SS値=100の場合

RTX 2080 Tiのフレームタイミング。大きなスパイクが出ている部分が1つあるが、それ以外は最大で9.5ms程度。ただSS値が100であることを考えると、描画負荷はかなり重たい方といえる

RTX 2080のフレームタイミング。フレームタイムが一気に増え、14ms〜19msあたりに分布するように。補完が効いているのでVIVE Proでも違和感はほとんどないが、処理内容としてはかなり重いことは確か

RTX 2070のフレームタイミング。さらにフレームタイムは増え22msを超える部分も出てきた

GTX 1070のフレームタイミング。フレームタイムは30ms程度。この位だと30fpsで動いているので動きが激しくなると違和感が出てくる

 VRChatはかなり処理が重いらしく、そこにVIVE Proの高解像度液晶を扱う負荷が上乗せされたため、RTX 2080でも90fpsの維持ができないことはざら。ユーザーのつくったもっと重い部屋ならさらにフレームタイムは増すだろう。

SS値=200の場合

RTX 2080 Tiのフレームタイミング。29ms程度になるのでRTX 2080 Tiといえど45fpsを突破し30fps表示となる

RTX 2080のフレームタイミング。39ms前後必要になるので15fpsまで低下。CPUはそれほど辛くないのにGPUの方に負荷が全振りされていることが伺える。Re-Projectionの値も4msと非常に大きい

RTX 2070のフレームタイミング。こちらは最大44ms程度。振り向きが激しいと表示の崩れが出てくる

 SS値=200ではGTX 1070環境では画面がマトモに描画されないことが多かったので検証は中断した。VRChatのCPU負荷はProject Cars 2と大差ない感じだが、CPUフレームレートが短いためCPU側の処理はほぼ一瞬で終わっていることがフレームタイムから伺える。

 ここまでの結果からGTX 1070でVRChatを遊ぶのは不可能か……というとそうではない。SS値を100より低くしてレンダリング解像度を荒くしてしまえばよいのだ。次の図はGTX 1070でSS値を50に設定した時のもの。

GTX 1070のフレームタイミング。SS値=100の時に比べ劇的にフレームタイムが短縮した。残念ながらオブジェクトの少ない空間に視線を振らない限りフレームタイムは18ms程度だが、これなら45fpsは出せる。オブジェクトの少ない部屋などへ行けばもっと下げることができるはず

まとめ:描画負荷の高いVIVE ProにはRTX 20シリーズは有効

 以上でVIVE Proと最新CPU&GPUの組み合わせによるパフォーマンス検証は終わりだ。一部ゲーム(Project Cars 2)では画質を下げる必要があったものの、Skyrim VRやVRカノジョといったVR専用のタイトルではRTX 20シリーズは極めて優秀。VIVE Proの高解像度液晶の負荷にも対抗できると言えるだろう。

 ここで悩ましいのが旧世代の安いカード(流通量が急激に減りつつあるが)をとるか、割高感はあるが高性能なRTX 20シリーズをとるか、の問題だ。RTX 2070はおおよそGTX 1080、RTX 2080はGTX 1080Ti相当という図式になっているので、同じ性能なら割安なGTX 10シリーズを選びたくなるが、RTX 20シリーズで採用されたTuringアーキテクチャーではFP32とINT32の並列実行やメモリー圧縮など技術的に優れた面があるためVR環境でもRTX 20シリーズの方が優れている。

 VIVE Proには採用されていないがRTX 20シリーズはVirtualLinkという新しい規格にも対応しているため、将来VIVEのVirtualLink版が出てもすぐ乗り換えられるというメリットがある。そろそろVIVE Pro環境にアップグレードを考えているなら、一緒に強力で将来性もあるRTX 20シリーズへの乗り換えも検討してみてはどうだろうか。

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