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特定企業を優遇、Twitterは締め出し——FB内部文書、6つの衝撃

2018年12月10日 07時55分更新

文● Charlotte Jee

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英国議会は250ページにおよぶフェイスブックの内部文書を公開した。この文書には、最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグと他の経営幹部の間でやり取りされたメールなどが含まれている。

この文書は英国当局が、ロンドンに滞在していた米国のソフトウェア会社、シックス・フォー・スリー(Six4Three)の創業者であるテッド・クレイマーから入手した。クレイマーはフェイスブックに対して、アプリの運営に必要なデータにアクセスできなくされたと、2015年以来法廷闘争中である。

公開された文書の内容は、フェイスブック上のアプリと、ユーザーの個人データへのアクセス、そして今年初めに起きたケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)のデータ流出スキャンダルにも繋がる、重要なトピックに関わるものだ。

この内部文書から分かる6つの重要な点はこうだ。

・フェイスブックは特定の企業を「ホワイトリスト」に登録していた。2014年から2015年にかけてフェイスブックの仕様が変更された後も、エアビーアンドビー、ネットフリックス、バドゥー(Badoo)などのホワイトリスト企業には、ユーザーの「友だち」のデータへの完全なアクセスを提供していた。「ユーザーの同意があるかや、フェイスブックがどのようにホワイトリストに登録する企業を選んだのかは不明です」と、文化・メディア・スポーツ特別委員会のダミアン・コリンズ委員長は述べている。

・フェイスブックは積極的に競合を締め出そうとしてきた。ツイッターが6秒映像アプリであるヴァイン(Vine)を立ち上げた際、ザッカーバーグはヴァインのフェイスブックAPIへのアクセスを遮断することを承認した。

・フェイスブック上のアプリ開発者からの売上増のおかげで、ユーザーの個人データはフェイスブックの大きな収入源となってきた。アプリ開発者とフェイスブック間で個人データへのアクセスを共有することは、文書内で何度も言及されている。

・ザッカーバーグはフェイスブックとアプリ開発者の間に、「完全な相互関係」を望んでいた。すなわち、お互いが持っているユーザーの個人データをすべて共有するということだ。

・フェイスブックは「知り合いかも」の表示やニュースフィードのランキングを作成するため、ユーザーの通話履歴に本人の確認なしでアクセスする方法を見つけた。フェイスブックはこの件を、ユーザーに知られないようにしていた。

・フェイスブックは2013年に買収したイスラエルの分析会社オナボ(Onavo)を使い、通知なしでユーザーのモバイル・アプリを監視していた。何人の利用者がアプリをダウンロードし、どれくらいの頻度でそれらを利用するのかを知るためだ。この情報は、買収を決めるための企業調査に使われていた。

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