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石川温のPCスマホニュース解説 第21回

プライバシーの扱いには大きな違いがある:

政府がアップルを「GAFA」で括るのは間違いだ

2018年12月03日 16時00分更新

文● 石川温

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●Safariはトラッキング広告を制限する

 たとえば、写真のアプリでは、被写体や撮影場所で自動的に分類される機能が備わっている。

 Google Photosではクラウドで処理しているのに対し、アップルの写真アプリでは、端末内部のニューラルエンジンが処理・分類をしている。1人のユーザーがアップル製品を複数持っていると、情報は端末間で共有されるが、クラウド内では暗号化された状態でやり取りされている。中身はアップルでも見ることができない。

 Siriに関しても、ユーザーを特定するような情報はクラウドには上げず、もっぱら端末内でAIを活用することで、ユーザーの利用状況やオススメを提案するにようになっている。

 また、地図アプリに関しては、Google Mapの場合、ログインしての利用を推奨されるが、アップルのマップアプリの場合、サインインの必要はない。またアプリ使用の背後では、ユーザーに対してランダムな識別子をつけ、アップル側がユーザーを特定することなく地図の検索やナビゲーション機能を提供している。長時間に渡るナビゲーションの際には、途中で識別子がリセットされ、ランダムなIDを振ることでユーザーを特定できないように配慮するという念の入れようだ。

 ブラウザーのSafariにおいても、今年になって、オンラインのトラッキングを制限する機能が盛り込まれた。Safariでは、ユーザーが「いいね」や共有ボタンがあるウェブサイトを閲覧する際、ユーザーに許可なく行動データを読み込むことができない。サイトを渡り歩いても、同じような広告が表示され続けるということがなくなるというわけだ。

 もちろん、Safariでは、サインインの必要はなく利用可能だ。

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