このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

デジタルサイネージ、ビデオウォールなどをシンプルな仕組みと使い勝手に変える新仕様を解説

4K映像を10ギガEthernetで送る「SDVoE」とは? セミナーで解説

2018年12月12日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ネットギア

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

SDVoEネットワークを構成する10GbEスイッチに必要な要件は?

 最後に、SDVoEにおける10GbEネットワークの要件を見ておこう。セミナーではネットギアジャパンの渡部敏雄氏が、その要件やネットギアスイッチの優位性を説明した。

ネットギアジャパン プロダクトマーケティングの渡部敏雄氏

 SDVoEでネットワークに求められる要件は、簡単に言えば「十分な帯域幅」と「マルチキャスト対応であること」の2点にまとめられると、渡部氏は説明する。後者について少し説明しておこう。

 SDVoEではネットワークトラフィックを効率化するため、マルチキャスト通信の技術を使って、必要なポート(その先に受信機が接続されたポート)にのみ映像データを伝送する。そのため、SDVoEネットワークを構成する10GbEスイッチはIGMPプロトコル(Internet Group Management Protocol)(IGMPスヌーピング、IGMPクエリ、IGMPファストリーブ)に対応している必要がある。ネットギアで言えば、スマートスイッチ以上のクラスがそれに該当する。

 さらに、未知の(マルチキャストグループが登録されていない)マルチキャストパケットを破棄して無駄なトラフィックを発生させない機能も必要だと、渡部氏は説明した。

SDVoEで使う10GbEスイッチは、マルチキャスト/IGMP対応である必要がある

 実は、これらの要件を満たす10GbEスイッチであれば、アライアンスメンバーであるネットギア製品に限らずどこのメーカー製品でもSDVoEで使用できる。既設ネットワークの活用が考えられるなど、それがSDVoEのメリットである点はすでに説明したとおりだ。ただし、上述したマルチキャスト/IGMP周辺の設定を自ら行う必要があり、正しく設定できなければ映像が表示されない、映像が乱れるといった障害が発生する。業務用映像機器の扱いには慣れているユーザーでも、ネットワーク機器の設定となると話は別だろう。

 そこでネットギアでは、スタッカブル フルマネージスイッチ「M4300」シリーズの全ポート10Gモデルを「SDVoE対応済み」モデルとしている。上述したマルチキャスト/IGMP周辺の設定がすべてSDVoEに対応したものとなっており、「つなげばすぐに使える」のだ。

“SDVoD Ready”なネットギアの「M4300」シリーズ

 M4300シリーズは、ハーフラックサイズ/16ポートモデルから2Uサイズ/96ポートモデルまで多彩なラインアップを展開しているため、さまざまなユースケースにフィットしたモデルを選ぶことができる。スタック構成により、10G×144ポートという大規模構成も可能だ。また本体とネットワークカードは“無期限保証”である「ライフタイム保証」の対象となっているのも大きな魅力だろう(電源モジュールは5年間保証)。

* * *

 冒頭で触れたとおり、高精細な映像はすでに身の回りにあふれ出しており、その動きは今後さらに加速していくだろう。映像システムをシンプルかつ手軽に構築できるSDVoEは、その動きを強く後押しするはずだ。特にIP防犯カメラやPCなど、もともとIPネットワークと親和性の高い映像ソースが増えていけば、SDVoEのメリットが大きく発揮されるものと考えられる。

(提供:ネットギア)

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ