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T教授の「戦略的衝動買い」 第509回

聴力を補完するヘッドフォンアンプを衝動買い

2018年11月28日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授、編集●南田/ASCII編集部

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劣化した聴力も補完してくれるヘッドフォンアンプ「AUMEO AUDIO」は、画期的な商品だ

突発性難聴にかかり難聴度を検査
人の聴力は20代後半から毎年劣化する

 私事で恐縮だが、筆者は今年の春に2度目の「突発性難聴」というややこしい耳の病気にかかり、回復するまでの1ヵ月強の間、右耳の聴力が左耳の聴力のマイナス20dBくらいになった。難聴度の詳細はその時の骨伝導検査である「標準純音聴力検査」の結果を見れば明かだ。

筆者が「突発性難聴」だと診断された日の左右の耳の聴力。下側が問題の右耳。125Hz~8000Hzのほぼ全帯域において、問題ない左耳と比較して20dB~40dBも聴力が劣化している

筆者が「突発性難聴」だと診断された日の左右の耳の聴力。下側が問題の右耳。125Hz~8000Hzのほぼ全帯域において、問題ない左耳と比較して20dB~40dBも聴力が劣化している

治療後、約1ヵ月強経って再測定した両耳の聴力検査の結果。左側の聴力に完璧には追いついてはいないが、劣化の度合いは5dB~10dBと極めてその差は縮まった

治療後、約1ヵ月強経って再測定した両耳の聴力検査の結果。左側の聴力に完璧には追いついてはいないが、劣化の度合いは5dB~10dBと極めてその差は縮まった

 X点をつないでいる上の折れ線グラフが左耳の聴力。○点をつないでいる下の折れ線グラフが一時的に悪くなった右耳の聴力だ。検査シートには低音である125Hzから高音の8000Hzまでの、8つの周波数帯における聴力検査の結果がプロットされている。周波数帯によって難聴レベルは違うが、ほぼすべての帯域で20~30dBの減衰が見られる。

 ちなみに、弦楽器であるバイオリンの高音は4000Hz程度、パイプオルガンは60Hz~2000Hz程度だ。一般的な人の声は個人差や性別差があっても300Hz~1000Hzくらいだろう。筆者の場合もそうだったが、人間は両方の耳があるので、たまたま片側の耳の聴力が多少落ちても気づきにくい。今回は10年ほど前に経験して、たまたま2度目と言うことでもあり、意外と早い時期に自覚することができたので、100%ではなくても事なきを得て回復した。

 大きな病院の耳鼻科で処置後の同検査シートを見ると、高域の8000Hzを除きほぼ全帯域で5dB~10dBの劣化くらいまでに回復している。残念ながら左右が全く同じレベルまで回復しなかったが、もともと左右の聴力がまったく同じというケースも珍しいだろう。

 今回の突発性難聴をきっかけに人の聴力に興味が湧いてきたので、ネットでいろいろ調べてみた。昔にパソコン関連で、高齢者向けのプロジェクトに関わったことがあるので、人の聴力は20代後半から毎年劣化するということは理解していたが、改めてネット上のデータを見て驚いた。

ネット上を検索するといっぱい出てくる加齢による聴力の劣化グラフ(ナショナル補聴器センターウェブサイトより引用)。加齢による聴力劣化は全帯域だが、特に2000Hz~8000Hzの中高音域で顕著だ。50歳以上の人には、AUMEO AUDIOによる補正なしのハイレゾオーディオは「豚に真珠」だと思ってしまった

ネット上を検索するといっぱい出てくる加齢による聴力の劣化グラフ(ナショナル補聴器センターウェブサイトより引用)。加齢による聴力劣化は全帯域だが、特に2000Hz~8000Hzの中高音域で顕著だ。50歳以上の人には、AUMEO AUDIOによる補正なしのハイレゾオーディオは豚に真珠だと思ってしまった

 125Hz~8000Hzの全帯域で加齢による劣化は顕著だが、特に4000Hz、8000Hzの高域の劣化は凄まじい。20歳の人と60歳の人を比べてみると、なんと4000Hz~8000Hzではマイナス40dBも聴こえなくなるようだ。計算上、マイナス20dBの劣化は聴こえる音の大きさが1/10、マイナス40dBならほぼ1/100しか聴こえない計算だ。これはもう良く聞こえるかどうかの問題ではなく、ほとんど聴こえていないと考えるべきかもしれない。

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