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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第20回

スマホ低成長時代の対策を済ませたのは確かだ:

アップルiPhone低迷説は本当か? 去年の教訓から考える

2018年11月22日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●それでも懸念は残る

 アップルは2017年のiPhone X投入で、平均販売価格の上昇にこだわり、スマートフォン市場全体の需要減、マイナス成長の時代への備えを万全に整えてきました。

 2018年通年の決算では、販売台数を維持しながら売上高を大幅に高める結果として、その成果が現れています。今後販売台数の維持が難しくなり、減少していくことを織り込んでいるのです。

 アップルは対策を済ませましたが、他のスマートフォンメーカーは現在でも薄利多売、あるいは赤字の状態で販売を続けていることを考えると、厳しくなっていくばかりでしょう。

 またアップルにパーツを納入しているサプライヤーは、高付加価値ビジネスへ移行できず、やはりiPhoneの製造台数に応じた売上のビジネスを脱することができないため、アップルと付き合っていてもスマートフォンの低成長時代に売上を伸ばすことはできないでしょう。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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