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Web App、マネージドMySQL、Azure DevOpsで実現するAzure PaaSのLAMP

オンプレLAMP環境を低コストで高可用なAzure PaaSへ移行しよう!

2018年12月19日 08時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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3.「Azure DevOps Project」なら3ステップでLAMPのDevOpsを実現

 最後に、AzureのTSPの武田正樹氏が、Azureの新しいCI/CDツール「Azure DevOps」と、WebアプリケーションのDevOpsサイクルに必要なすべてを自動的に構成してくれるサービス「Azure DevOps Project」を紹介した。

日本マイクロソフト Azureアプリケーション開発 技術営業部 テクノロジーソリューションプロフェッショナル 武田正樹氏

 Azure DevOpsは、(1)あらゆる言語、プラットフォーム、GitHubや任意のGitレポジトリに対応するCI/CD機能「Azure Pipelines」、(2)開発チーム向けのかんばんボードやダッシュボードを備えた作業追跡ツール「Azure Boards」、(3)パブリック/プライベートなソースからMaven、npm、NuGetなどのパッケージを生成して共有する「Azure Artifacts」、(4)Azureにホストされる容量無制限のプライベートGitレポジトリ「Azure Repos」、(5)テストツール「Azure Test Plans」――の5つのコンポーネントで構成されるサービス。

 これまで、これら5つのコンポーネントは旧Visual Studio Team Services(VSTS)の機能として単一のサービスで提供されていたが、Microsoftは2018年10月にVSTSをAzure DevOpsにリブランドし、5つ機能を独立したコンポーネントに見える形で提供するようにした。

Azure DevOpsの5つのコンポーネント

 Azure DevOps Projectは、好みのプログラミング言語やフレームワークで開発するWebアプリケーションに対して、実行環境のWeb App、Azure DevOpsコンポーネントのGitレポジトリやCI/CDパイプライン、Azure Application Insightsによる監視といったDevOpsサイクルに必要なすべてを自動構成するサービス。

 武田氏は、「Azure DevOps Projectは、PHPなどの開発言語を選択し、言語に対応したフレームワークを選び、Web Appなどデプロイ先の環境を選ぶ3ステップだけで、あとは自動でDevOps実践を支援するCI/CD環境を構成します。VNETの中にあるWeb AppやMySQLのLAMP環境でDevOpsをすることも可能です」と説明した。

3-1.Azure DevOps Projectの作成方法

 では、Azure DevOps Projectを作成していく。Azure DevOps Projectを起動し、ステップ1として、まずダッシュボードで言語を選ぶ。今回はLAMPスタックのデモなのでPHPを選択。

図3-2 利用するプログラミング言語を選択

 ステップ2でPHP言語に対応するフレームワークを選択する。

図3-3 利用する言語のフレームワークを選択(ここではLaravelを選択している)

 ステップ3でアプリケーションの展開先を指定する。ここではWeb App for Containersを選択した。

図3-4 アプリケーションの展開先を選択

 あとは、Azure DevOps Projectのプロジェクト名やAzure DevOpsの組織名、プロジェクトを作成するAzureリージョンを指定し「Done」で作成を開始する。

図3-5 Azure DevOps Projectのプロジェクト名、Azure DevOpsの組織、作成するAzureリージョン場所を指定

 指定したWeb AppやAzure DevOps、フレームワークのプロジェクトテンプレートが数分で展開される。

図3-6 プロジェクトテンプレートが数分で展開される

3-2.完成したAzure DevOps Project

 完成したAzure DevOps Project画面は次のようになる(図3-7)。コードレポジトリ、ビルドパイプライン、コードのデプロイメントなどのCI/CD環境のパイプラインが設定されている。

図3-7 完成したAzure DevOps Project画面

 この画面(図3-7)上部のバーから、Azure DevOpsの各コンポーネントの設定状況が確認できる。

図3-8 Azure Repos:GitリポジトリにPHP言語とLaravelが展開済み

図3-9 Azure Boards:開発者が確認するかんばんボードの一覧

図3-10 Azure Pipelines:リリースのパイプラインはGUIでカスタマイズが可能

図3-11 Azure Pipelines:MySQLにマスタデータやDB構造の初期化スクリプトを設定している様子

■関連サイト

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 今回のセミナーでは、フルマネージドPaaSのAzure Database for MySQL、Azure Web App on LinuxでLAMPスタックを構築する方法と、Azure上のLAMPスタックに対して、Azure DevOps Projectを使って簡単にDevOpsを実現する方法を紹介した。

 オンプレミスやIaaSと比較して、PaaSでは手早く安価にLAMP環境を手に入れることができる上、インフラの運用と非機能要件をクラウドに預けることができる。特にAzureのPaaSを使ったLAMP環境は、エンタープライズグレードのSLAを保証し、バックアップやセキュリティ、ファイアウォールなどの機能を標準で備え、自動スケール、Azure Active Directory認証、DevOpsなどの設定も非常に簡単に行える。ぜひ、今使っているLAMP環境のAzure PaaSへの移行を検討してほしい。

 日本マイクロソフトでは、下記のような、AzureのPaaSを使ったLAMPスタック構築やAzure DevOps Projectに関する自習ドキュメントやオンデマンドセミナーを多数用意している。

(提供:日本マイクロソフト)

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