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アップアップガールズ(アスキー) 第15回

「愛愛ファイヤー!!」はユーザー参加型の新機軸

アプガ(仮)新曲MV、その撮影にアスキーが潜入

2018年11月02日 17時00分更新

文● アスキー編集部

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 アイドルグループ「アップアップガールズ(仮)」が、約80曲ある楽曲をすべて披露する「Live of All Songs~立ち続ける事~」(通称“全曲LIVE”)に向けて、いろいろなことにチャレンジしていく企画「アップアップガールズ(アスキー)」。その開催がいよいよ12月27日に決定した。11月6日に発売する両A面シングル「愛愛ファイヤー!!/私達(with friend)」は、それに向けた(シングルとしては)約1年ぶりの新曲だ。

 「愛愛ファイヤー!!」は9月15日に開催した単独公演「夏の終わりにサマービーム!」で初披露され、既にファンの間では「メンバーと一緒に盛り上がれる曲だ」と好評を得ている。この曲は、制作段階から5人のメンバー全員が打ち合わせに参加し、曲調や詞の世界観を自ら提案した楽曲である点も特徴だ。

 さらに畳み掛けるように「MV(ミュージックビデオ)をファンとともに創り上げる」ことも発表された。となれば、アップアップガールズ(アスキー)の担当としても絶対に見届けなければならない。ということで、本連載担当の記者もファンに混じってMV撮影に潜入してきた。その様子をお届けする。

平日の夕方の工場に集まるファンたち

 発売の1ヵ月前となる10月7日、アップアップガールズ(仮)(※以下アプガ)の公式Twitterアカウントが、突然あるアナウンスをツイートした。

 10月10日に神奈川県の某所で「愛愛ファイヤー!!」のMV撮影を実施、その撮影にファンも協力してほしいというのだ。後日、詳細が発表。イメージ動画が共有された。映画「Fight Club」である。指定されたドレスコードも「デニム、黒のTシャツ、ジージャン、皮系、のハード目な物」となっており、なるほど「Fight Club」のイメージである。

 そして撮影日当日。場所は神奈川県某所。その日の営業を終了したとある工場。どの駅からも徒歩でたどり着くのは困難なハードルの高い場所に、約20人のファンが集まった。ドレスコードはあくまで「推奨」となっており、用意できない参加者に対しては事務所側で着替えも用意してあったが、集まった参加者はみな、ドレスコードに合った服装をしていた。ファンの側の気合も十分ということだろう。

荒涼とした屋外の工場で、炎と煙の演出を用いて撮影された

驚愕の撮影指示に騒然となるファンたち

 MVの撮影場所は、屋外にあるスクラップ工場。「Fight Club」の趣に合ったロケーションだ。集合してからしばらく経過し、いよいよ撮影開始。円になるように指示を受けながら、参加者が順番に工場内へ誘導されていく。本番ではその円の中心にメンバーが入り「Fight Club」をするのだ。参加者全員が指定された場所に配置されると、監督から「事前に共有させてもらったイメージの通りなので、“笑わない、真剣に、楽しい雰囲気を出さない”ように、ということを徹底して臨んで欲しい」との指示が入る。

 確かに、工場内は火や煙を使ったいわゆる“特効”で雰囲気を作り出しており、このシチュエーションでハードな格好をしている観衆が楽しそうな笑顔だとかなりのミスマッチになりそうだ。しかし、目の前に大好きなアイドルがいる状況でなんと無茶な指示を……とざわめく参加者一同。それでも覚悟を決めた様子で心の準備をし始めたところで、メンバーが登場する。

 大きな挨拶とともに5人のメンバーが登場。事前に告知されていた通り、新衣装を身に纏っている。メンバーの関根梓が制作に携わった新衣装で、メンバーカラーが眩しいドレスタイプのもの。この衣装はここが初披露ということもあり、色めき立つ参加者と、笑顔で対応するメンバー。そんな和やかな雰囲気の中、監督からメンバーに対しても「笑わないで、真剣に」という指示が入る。それに対してメンバー全員がすかさず「無理!」と声を揃えた。ファンをとても大切にしているアプガらしいシーンだ。

 大切なファンとの「初めてのMV撮影」では、笑顔にならないわけがないというのだ。お互い顔を合わせると笑顔になってしまう。この信頼関係には感銘を受けた。しかし、撮影場所の雰囲気から、納得せざるを得ない。メンバー・ファンともに真剣に臨むということで撮影が開始された。

スタンバイするメンバーと参加者

 ファンとともにする撮影シーンは、曲の最後のサビの部分で最も盛り上がるパートだ。ここをメンバーと同じ振付けをファイトしているように盛り上げるのが参加者のミッションだ。しかし、前提として「愛愛ファイヤー!!」のサビはハートを作ってジャンプするラブリーでポップな振付けなのである。これを真剣に、そして戦いを煽るようにやるのだ。そんなこと笑顔なしでできるのか…と記者は少し心配しながら、撮影がスタートした。

 監督からの合図でカメラマンはビデオカメラをセットし、さらに空中からのカットも撮影するため、ドローンを起動しメンバーと参加者が作る円の上に滞空する。撮影現場に緊張感が張り詰め、ついに本番がスタート。撮影が始まるとメンバーの表情も一変し、普段どおりのキレのあるダンスで存在感を見せる。周囲の参加者たちも真剣に振りを踊って声を出す。MVの撮影というシチュエーションではあるが、まるでLIVEをしているかのような一体感だった。

サビでの全員で手を上げるシーン

参加者と談笑する佐保と関根

 アングルを変えて何度か繰り返される撮影。しかし参加者にも少しずつ疲労が溜まる……ことはなかった。なぜなら、撮影が止まるたびにメンバーが参加者と交流するからだ。

 メンバー本人にとっては、それが自然なのだろう。

 各メンバーはそれぞれの距離感で参加者と交流する。古川小夏は持ち前のひょうきんな言動で相対する参加者たちから大きな笑いがおき、佐保明梨はなぜか周囲にいる参加者と結婚観について話しはじめている。参加者との話が盛り上がりすぎてしまい、指示が聞こえないと新井愛瞳がたしなめるシーンもあった。このコミュニケーションが、参加者が持っていた“アイドルのMV撮影に参加する”という緊張感と、肩に入った力を抜いたのだろう。良い雰囲気のまま、非常に円滑に撮影が進んだ。

 このやり取りを見たからなのかはわからないが、撮影途中で監督から「全力の笑顔であればOK」という指示に変わった。この一連の様子を見ていて、改めてアプガとファンの距離の近さを再認識した。アイドル界でも「LIVEにおけるファンとの一体感が圧倒的」と評されるアプガの根本なのだろう。

カメラに向けてポーズをとる古川。メンバー最年少の新井にたしなめられていたのは、この古川だった。

本作品でセンターポジションを務めるシーンが多い森

順調に進む撮影、そして最後のシーンに

 メンバーと楽しみながら和気あいあいと進んでいった撮影も、ついに最後のカットに。

 ここでは、最後のサビの前、いわゆる“落ちサビ”でメンバーそれぞれが1フレーズずつ唄うパートをメンバーが背中合わせになって撮影するシーンだ。1人のメンバーを中心に置いてスポットをあて、両サイドのメンバーは半身程度、その後ろのメンバーは背中のみ映る、というカットになる。

 森咲樹にスポットが当たる際には古川と佐保が後ろ向きの状態になるが、ここでも古川が遊びだす。監督からは「ここは真剣な顔で」と改めて指示が入っているのだが、古川は顔が映らないのをいいことに、顔芸により周囲の参加者を笑わせようとするのだ。その様子を見た佐保も大きい独り言を言うようなアクションをして周囲を笑わせようとする。最後までファンには楽しくあって欲しいという心配りなのかもしれないが、メンバーと相対している参加者は顔が映る。当然、2人は参加者から真剣に怒られていたのは言うまでもないだろう。

最後にそれぞれのソロでスポットを当てるシーンでは、参加者はメンバーを見守る

 なんやかんやあったそのカットも無事撮影でき、ファンと協力して撮影するシーンはここで終了。すると新井から全員で記念撮影したいという提案が。最後までサービス精神に溢れている。ここでも、メンバーと最も近い位置に自然と女性参加者を入れる男性参加者たち。写った全員が満面の笑顔であっただろう記念撮影が終了し、ここでオールアップとなった。まだ続く撮影と、近隣にも配慮し、すぐに完全撤収する参加者たち。これには陣頭指揮を取っていた事務所社長である“アプガのボス”も感心していた。

撮影終了後、関根の合図で一本締めをして参加者は解散となった

メンバーへの感想インタビュー

 ファンとの撮影終了後、メンバーを代表して関根梓から感想を聞くことができた。

──ファンが参加してのMV撮影は初めてだったと思いますが、率直な感想を聞かせてください。

関根梓 すごく楽しかったです(笑)。ファンの方々が現場にいるのが新鮮で「ここはどこ?」と思いました。でもこれは、「ある意味自然なんじゃないか」と思っています。新曲は色々な皆さんに感謝をお届けしたい曲です。その曲のMVをファンの皆さんと一緒に創り上げるのですから。

──参加したファンは緊張していたようです。メンバーがそれをほぐしているようにも見えました。

関根梓 であったなら「良かった」と思います。ただし、慣れない撮影で戸惑っているのはわかりましたが、特に皆さんを意識してリラックスさせようと考えてはいなくて(笑)。撮影の合間に、いつも通りのやり方で、ファンの皆さんと接していただけですね。それが「アプガの良さなのかな」って自分達でも思っています。

──このMVも含めて、新曲「愛愛ファイヤー!!」の見所を教えてください。

関根梓 まず曲については、「私たちが表現するものを感じてほしい」というよりは「いま私たちが目指しているもの、求めているものを感じ取ってほしい」と思っています。ファンの皆さん、それぞれの感性で自由にそれを受け取ってもらって、楽しんでもらえたらと思います。MVについては全体的にハードなものになっているので、曲とは少しギャップがあるかもしれませんが、かっこいい仕上がりになっているとも思うので、合わせて楽しんでいただけたらと思います。取材いただいたシーンは、私たちもファンの皆さんと初めて一緒に創り上げたものです。だから、純粋に完成を楽しみにしています!

──我々も楽しみにしています。ありがとうございました。

 MV撮影に参加したファンは、普段見たり、接したりできないアプガの側面を発見することができたはずだ。またメンバーと一緒に、ひとつのモノを創り上げたことで、撮影を終えたファン全員が、例外なく達成感に満ちた表情をしていたのも印象的だった。

「愛愛ファイヤー!!」MV公開!

 このファンが参加した「愛愛ファイヤー!!」のMVが11月1日に公開された。本記事と合わせてお楽しみください。

 両A面となっている「私達(with friend)」のMVもその前日、10月31日に公開されたので、合わせてご覧ください。

アップアップガールズ(仮)Information

「愛愛ファイヤー!!/私達(with friend)」(両A面)は11月6日に発売!

アップアップガールズ(仮)メンバーコメント

森咲樹: 今年初のシングル発売決定、とても嬉しいです!「愛愛ファイヤー!!」は、私達メンバーも楽曲打ち合わせに参加して、曲調や詞の世界観を提案させて頂いたので、今まで以上に思い入れが強い曲になりました。「私達」は、今年6月に発売したアルバムに収録されていた曲ですが、今を精一杯生きている沢山の方々に響く曲だと思うので、リアレンジバージョンとしてシングルに入ることがとても嬉しいです。作詞作曲して頂いたTHEイナズマ戦隊さんとのセッションしたものになるので、より響く唄になるよう、私達も精一杯届けていきます!アップアップガールズ(仮)は、沢山の方からの愛に感謝をしながら、まだまだ走り続けさせて頂きます。そんな私達がギュッと詰まった1枚をお楽しみに!

★「愛愛ファイヤー!!/私達(with friend)」 リリースイベント続々決定!

2018年11月3日(土) @新宿マルイメン屋上特設イベントスペース
1部 12:00開始
2部 15:00開始
3部 18:00開始

2018年11月4日(日) @ららぽーと柏の葉 2Fセンタープラザ
1部 15:00開始
2部 18:00開始

2018年11月5日(月) @タワーレコード横浜ビブレ店
20:00開始

2018年11月6日(火) @ニコニコ本社B2Fイベントスペース
19:00開始

2018年11月7日(水) @新宿マルイメン屋上特設イベントスペース
19:00開始

2018年11月8日(木)  インターネットサイン会

2018年11月9日(金) @タワーレコード川崎店
20:00開始

2018年11月10日(土) @池袋パルコ屋上イベントスペース
1部 12:00開始
2部 15:00開始

2018年11月10日(土) @タワーレコード新宿店7Fイベントスペース
18:30開始

2018年11月11日(日) @イオンモール幕張新都心グランドモール1F 屋外グランドスクエア
1部 12:00開始
2部 15:00開始
3部 18:00開始

★LIVE情報

アップアップガールズ(仮) Live of All Songs ~立ち続ける事~
2018年12月27日(木)@Zepp Tokyo
1部開場13:30 / 開演14:00
2部開場16:00 / 開演16:30
3部開場18:30 / 開演19:00

アップアップガールズ(仮)~Road to Live of All Songs~
2018年10月28日(日)@新宿BLAZE
1部開場13:30/開演14:00
2部開場17:30/開演18:00

ショートカットに戻れない!?~新井愛瞳生誕記念スペシャルLIVE~
2018年11月18日(日)@初台 the DOORS
1部開場13:30/開演14:00
2部開場17:30/開演18:00

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