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DetonatioN FocusMeの活躍で注目!

LoL専用の最新eスポーツ施設「LoL Park」潜入取材

2018年10月26日 18時30分更新

文● 佐藤ポン 編集●ジサトラアキラ

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 現在、韓国で行われている「League of Legends World Championshp」(通称:Worlds)は、『League of Legends』(以下、LoL)の世界王者を決定する年に一度の大会。2018年10月1日から始まったWorldsはすでに上位4チームに絞られ、セミファイナル(10月27~28日)とファイナル(11月3日)の3試合を残すのみとなっている。

 優勝チームの行方に世界中のeスポーツファンから注目が集まっているWorldsだが、今回は開幕から10月7日まで試合が行われていた会場「LoL Park」を紹介しよう。

最新eスポーツ施設「LoL Park」。

2018年9月に完成したばかりの最新eスポーツ施設「LoL Park」

「LoL Park」は2018年9月に完成したばかりの最新eスポーツ施設で、場所は韓国ソウル市の中心地にある。日本代表の「DetonatioN FocusMe」が10月1日と3日に試合を行い、史上初めてWorldsでコマをひとつ進めた会場だ。

 この施設の特筆すべきは、『LoL』専用に作られた会場ということ。運営はゲーム開発元のRiot Gamesが行っており、いわば「LoL公式eスポーツ会場」。設計段階から『LoL』のことだけを考えられているため、よくあるスポーツ施設やコンサート会場には見られないさまざまな設備が目を引く。本稿では実際に会場を見学してきたので、注目のポイントをひとつずつ紹介してこう。

試合用のスタジアムだけでなく、コンセプトカフェやネットカフェが併設されている。

LoL Parkのココがすごい!会場がまるで『LoL』のテーマパーク

 会場は地下鉄「チョンガク駅」のすぐ近くにある商業ビル「GRAN SEOUL」の3階。このビルはショッピングモールやレストランなどが入っている巨大なビルなので、いつも大勢の人で賑わっているそうだ。そのビルの3階をまるまる使って「LoL Park」が作られた。

日本人にはピンとこない「チョンガク駅」だが、日本の都市で例えると「有楽町」の雰囲気に近いそうだ。あんな中心部にeスポーツ施設を作るなんて、さすが韓国っす!

 エレベーターを上がって3階に行くと、いきなり天井にデジタルサイネージがドーン! ここには『LoL』のチャンピオン(キャラクター)や当日の試合情報などが定期的に流れていて、入場前からテンションが上がる。

3階に到着すると、雰囲気たっぷりの薄暗いおしゃれな空間が広がっていた。場内には試合会場だけでなく、カフェや物販コーナー、ミュージアムなどが併設されている。

エレベーターで3階に上がると、そこは『LoL』のテーマパーク!
施設内には『LoL』のグッズ販売コーナーや、エイサーのゲーミングPC「Predator」の体験コーナーがある。

最大500人収容可能な巨大なスタジアム

「LoL Park」で最大面積を誇るのが、『LoL』のために作られたeスポーツ専用試合会場「LCK ARENA」だ。「LCK」は「League of Legends Champions Korea」の略称で、韓国『LoL』のプロリーグのこと。

 LCK ARENAは天井までの高さが8メートルもあるすり鉢状のスタジアムで、その中央に円形のステージがある。試合が行われるときは、このステージに2チームが背中合わせに座る。両チームとも選手席は弧を描くようにレイアウトされているため、客席からそれぞれの選手の顔がよく見える設計だ。

「LCK ARENA」の外観は、まるで闘技場のよう!
入り口を入っていくと、なかに広大なスタジアムが広がる。
「LCK ARENA」の外壁はプロジェクターのスクリーンになっていて、超巨大なチャンピオンが投影されていた。

 場内の座席数は400で、立ち見客を入れると最大500人が収容可能。座席にはUSBポートとカップホルダーつきのテーブルが用意されており、観戦をしながらモバイル端末の充電ができるのが嬉しい。なお、これらの座席は「FCバルセロナ」や「レアル・マドリード」などのホームスタジアムで採用されている「Figueras社」の椅子だ。

すべての座席に充電用のUSBがふたつずつ用意されている。
座席のレイアウト。どの席でも試合がよく見える設計だ。

会場に設置されたモニターで試合を盛り上げる!

 LCK ARENAの場内には、いくつもの液晶モニターやLED照明が設置されていた。センターステージ真上の巨大なモニターにはゲーム画面が映し出されているので、いまゲーム内でなにが行われているのか一目瞭然。

 さらに両チームの座席の前にもモニターがずらりと並んでおり、各選手のさまざまな情報が表示される。例えばチャンピオン選択時には選んだチャンピオンのアイコンが表示され、試合前には選手の顔のアップが映し出される。さらに、これらの複数のモニターは連結してひとつの超横長のモニターとしても使用可能。選手が入場する前はチーム名が表示され、ゲームの決着がついたときは「VICTORY」の文字が表示されていた。

選手席の周囲はモニターがずらり。
選手席前方のモニターは、このように選手のアップが映し出されたり、試合中に発生したイベント情報などが表示される。

ライブ配信用の撮影機材が超豪華

 会場内にはいくつもの放送用機材が設置されている。まるでテレビ局スタジオのような大きなクレーンの他に、センターステージの外周にはドリー撮影用のレールが敷いてあった。さらにステージの中央には4K撮影用のカメラも設置。これらの機材から収録された映像ソースは、「LoL Park」内にあるメインコントロールセンターでスイッチングされ、全世界にライブ配信される。ここは単なるeスポーツ試合会場ではなく、最新のデジタルスタジオとしても機能しているのだ。

クレーンに吊るされたカメラが場内をぐりぐり動き回る。
会場の最上部には実況席があり、ライブ配信が行われていた。

プロeスポーツ選手用の設備が充実

 Worlds開催中で実際に使用されていたため取材はできなかったが、LCK ARENAの奥には選手とコーチ専用の設備が充実しているそうだ。いわゆる「楽屋」として機能するグリーンルームや、プレイヤーラウンジ、コーチボックス。さらにゲストや実況解説者用のメイクアップルームも完備。『LoL』の有名人になれば、これらすべての設備が使いたい放題!

LoL Parkのココがすごい!報道関係者にとっても嬉しい施設

 報道機関向けの施設も充実。プレスルームにはいくつものモニターが用意されているので、わざわざ会場に移動しなくても記事を作成できるのがナイス! まるでモータースポーツのプレスルームのようだった。

 また、バックヤードには撮影用照明が完備されたインタビュールームがふたつ用意されていた。ここに取材対象とカメラマンを連れてくれば、いつでもインタビュー映像を撮影できる。動画メディアにとって、ありがたい設備だ。

インタビュー専用の部屋は、プレスルームの近くにあった。取材がしやすくてナイス。

試合だけじゃない!24時間利用可能な低価格ネカフェを併設

 LoL Parkには24時間利用可能なPCカフェ「Riot PC Bang」が併設。LoL Parkの一角にあるPCカフェなので小規模なのでは……と思いきや、なんと座席数は101席もある。しかも1時間たったの約147円(1500ウォン)とリーズナブル。

 ユニークなのは座席のレイアウト。『LoL』のために作られた施設のため、5対5の対戦がしやすいように5人ずつのスペースで区切られていた。

101台のゲーミングPCが並ぶ「Riot PC Bang」。取材はプレオープンだったにもかかわらず、大勢の来場者が利用していた。

『LoL』の世界観に浸れるコンセプトカフェ!

『LoL』に登場する架空の都市「ビルジウォーター」の世界観を再現したコンセプトカフェ「Cafe Bilgewater」。試合日は来場者向けに軽食とドリンクを販売し、それ以外は周辺の社会人や学生向けに、ランチを提供するサービスを計画中だとか。

ゆったりくつろげるカフェ。お目当ての試合が始まるまで、施設内で時間を潰せるのは嬉しい。

『LoL』のミュージアムエリアがかっこいい

 館内の通路を利用した「エキシビジョンゾーン」は、『LoL』の彫刻とプロチームのユニフォームが展示されていた。2メートル(幅)×3メートル(長)×2メートル(高)の巨大な彫刻「Path to Victory(勝利への道)」は、韓国人彫刻家「Huragon」の作品。大迫力のオブジェと一緒に記念撮影をするファンが大勢集まっていた。

超巨大なアート作品! 大迫力っす!!
人間と比較すると、これくらいデカい。

 そしてユニフォームの展示スペースは、「2018 LCK Summer Split」に参加した10チームのユニフォームとミニチュアフィギュアがずらり並ぶ。こちらも若い女子を中心に、何人ものファンがじっくり見学していた。

プロ選手のギャラリーコーナー。

Riot Games担当者に設計のコダワリを聞いてみた

 LoL Parkの魅力を駆け足で紹介してきた。おそらくほとんどのPCゲームファンは「うらやましい!」と感じたはずだ。韓国はeスポーツが盛んな国というのは有名な話だが、まさかここまで豪華な施設が許されるとは!!

 そこで最後に、Riot Games Korea広報担当に、施設を作った経緯と、今後の展開を聞いてきた。日本にもこんな施設が欲しいなぁ!!

『LoL』の試合を観戦するだけでなく、食事を摂ったりオフィシャルグッズを購入したり、一日遊べるたまらない施設だ。

――『LoL』は韓国でどれくらい人気ですか?

Riot Games Korea広報担当(以下、広報担当):『LoL』は韓国で1番人気のゲームです。数値的な根拠としても、PCバン(韓国のネットカフェ)のマーケットシェアを計測している団体「Gametrics」のデータでもトップに位置しています。現在10週連続1位で、過去にも2012年6月23日~2016年6月19日の間、204週連続1位を記録しています。

韓国でもっとも人気のゲームが『LoL』だ。

――「LoL Park」を作ったきっかけを教えてください。

広報担当:長年eスポーツを運営しながら、どうすればより改善できるかを考えてきたことと、韓国のプレーヤーによりよい体験を提供できる方法を考えるなかで生まれました。

――よりよい体験ですか?

広報担当:それはLCKのプロ選手とファンが最高の体験を得られること、また世界最高のeスポーツリーグに対する敬意を払う意味もあります。そしてサッカーのプレミアリーグや野球のMLBでのスタジアムのような、ユニークで特別な体験を得られる場所を作りたかったのです。

――いつごろから施設を作る計画をたてたのでしょうか?

広報担当:計画をしたのは2~3年前からです。最終的な決断は1年ほど前にされました。

――ソウル市の「チョンガク」に作った理由はありますか?

広報担当:まず場所を探す上で、あらゆる要素を検討しました。アリーナを作るのに必要な天井の高や広さがある場所は、そうたくさんはありません。また、立地についても交通の便がいいこと、繁華街から近いことなども考慮しています。土地を購入して自前で建物から作ることも考えましたが、最終的には現在の場所となりました。

――施設を設計するとき、もっともこだわったポイントや、自信のあるポイントはどこですか?

広報担当:設計するにあたり、まず以前まで使用していたアリーナで、ファンやプロ選手が感じる不満や不便な点を洗い出しました。その結果、プロ選手やスタッフにとって快適で、試合と準備に集中できる環境を作ることができたと思います。

――試合と準備に集中ですか?

広報担当:はい。例えば対戦前は相手チームの選手と顔をあわせないで済むように、4つの独立した練習場所と控室を作りました。会場までの導線も分かれているので、試合直前まで相手チーム選手と出会うことはありません。

――徹底して設計されていますね!

広報担当:また、ファンに対しては利便性がカギでした。いままで多くのファンの皆さんは、試合が長引いて遅い時間になってしまうと帰宅が困難になっていました。なかには交通機関の関係上、試合が終わる前に帰らなければならない方も……。それだけじゃなく、試合が始まるまでの間に待っている場所や、ファンと選手が触れ合える場所がなかったことも課題でした。

「LoL Park」のビルは、地下鉄駅のすぐ横にある。夜中まで観戦しても、すぐ帰れるのが魅力。

――それらをLoL Parkで改善したわけですね。

広報担当:以上の理由から、LoL Parkは公共交通機関でも簡単にアクセスできるソウルの中心部にあり、さらにファンが座って楽しめるPCバンやカフェが併設されているのです。

――施設を披露して、ファンや選手たちからの感想はいかがですか?

広報担当:施設をプロ選手たちが初めて見たとき、「試合をするのが待ち遠しい!」とか、「韓国のRiot Gamesが行った莫大な投資に感動した」、「プロとしてより大きな責任と仕事に対する誇りを感じる」と発言してくれた人がいました。一方、ファンのみなさんからは、立地とPCバンが喜ばれています。『LoL』プレイヤーにとって、必ず一度は訪れるべき「聖地」のような場所になりました(笑)。

「LoL Park」はプレイヤーたちの間で「『LoL』の聖地」と呼ばれるようになったらしい。

――施設を作ってよかったことはありますか?

広報担当:LoL Parkの正式稼働はLCKの2019年春シーズンがスタートする2019年1月を予定していますので、そのときにいろいろわかると思います。とはいえ、Riot Gamesは韓国において、外資企業でありながら韓国のプレーヤーやファンに対して最高の体験を提供する会社です。会社のミッションである「プレーヤー第一主義」という考え方は、この施設を作ったことによって、さらに多くのファンに受け止められたと自負しています。

――今後、この施設をどのように運営していきたいですか?

広報担当:基本的にアリーナは、LCKの開催施設として1月~10月に利用されます。その他の期間の利用法については、他のゲームへの貸出を含めて、いろいろと検討中です。LoL Parkがすべてのゲーマーにとっての憩いの場所となるように運営していけたらと思います。改良点については、正式稼働後に見えてくるところがあると思いますので、そこで改めて考えます。

――韓国以外の国にも施設を作る予定はありますか?

広報担当:韓国でLoL Parkを作ったのは、テストケースでもあります。この韓国で上手く運営できた場合は、もちろん他の国でも検討が進むと思います。

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