このページの本文へ

McAfee Blog

ヘルスケア用IoTデバイスにもセキュリティーのケア

2018年10月23日 18時10分更新

文● McAfee

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 テクノロジーが私たちの日常生活にどのように影響するかを考えるとき、それは大局的見地から見る必要があります。実際、テクノロジーが私たちの生活に大きな影響を与えているということは言うまでもありません。しかし、私たちは普段はほとんどそれを意識することはありません。信号遠隔から制御することができ、サーモスタットは季節に応じて自宅を暖かくしたり快適な室温に保つことができます。これらの個々のシステムや技術も、モノのインターネット/IoTのひとつです。IoTアプリケーションは無限の可能性を秘めていますが、時には安全でない場合もあります。私たちの個人的な健康を助けるように設計されたIoTデバイスに当てはまる場合を想像してください。

IoTデバイスによる健康管理

 IoTと私たちの身体的健康は、私たちの多くが思うよりも関連性が高く、それらのつながりは革命的で予防的な健康管理につながっています。スマートウォッチは、小型化されたジャイロスコープと心拍数モニタのおかげで、私たちの総合的な健康面とフィットネスレベルを監視します。この情報は、心臓発作の危険性を警告するために使用することができます。ペースメーカーなどの身体内部へ埋入する医療機器は、遠方から患者を監視し、医師はその状態を詳細に分析することができます。これらのデバイスは、より進歩した最新のヘルスケアを可能としますが、その構造には時にはユーザーをサイバー攻撃にさらす可能性のある脆弱性が含まれることがあります。

ヘルスケアに用いられるIoTデバイスのセキュリティーリスク

 まず、スマートウォッチについて考えてみましょう。毎日の健康状態をモニターするのに役立つ便利なツールです。しかし、収集したデータはさまざまな攻撃によって損なわれる可能性があります。たとえば、Fitbitでは、2016年にセキュリティー侵害を受け、サイバー犯罪者がFitbit社の保証システムを悪用して詐欺を働こうとした事象がありました。別の例では、アスリートのソーシャルネットワークであるストラバ(Strava)は、ユーザーが盗難に遭う原因となりました。これは、IoTデバイスからGPSで位置を共有した情報が悪用された結果でした。

 あるいは、ペースメーカー人工内耳およびその他のインプラントに見られる欠陥を、サイバー犯罪者が利用して、身体的健康に影響を与える攻撃を行うことも可能です。これは、多くのインプラントを遠隔操作することができる現在、サイバー犯罪者に患者に身体的被害を引き起こすために必要なツールを提供する可能性があるからです。例えば、ルーベンカトリック大学の学術研究者らによる最近の研究では、神経刺激剤、パーキンソン病患者の治療のモニタリングとパーソナライズに役立つ脳インプラントについて、リモートアタックに脆弱であることが判明しました。攻撃が成功した場合、サイバー犯罪者は患者の発言や移動を妨げる可能性があります。

 このような事象をお伝えしたとしても、これらのIoTインプラントは、医療専門家に患者の全体的な健康状態を比類ない洞察力で伝える大変有効な機器ですので、害よりもずっとメリットが多いことを忘れないでください。将来的にはより良い治療法を設計するのにも役立ちます。しかし、安全な方法で利益を享受できるようにするためには、ユーザーは実装前に積極的なセキュリティ手順を講じる必要があるのです。

セキュリティーに注意することでメリットを享受

 あなたの人生に医療のためのIoTデバイスを導入する前に、調査をする時間を取ることをぜひ忘れないようにしてください。

・デバイスと製造元などを調査

 導入する予定のデバイスとその製造元を調べ、デバイスに以前の違反や事故がないかどうか、もし何かあった場合それに対する製造元の対応状況などを確認しましょう。

・セキュリティー基準を確認

 IoTインプラントのセキュリティー基準についても医師に相談してください。そのセキュリティーがテストされているか、どのようにテストされているか、およびセキュリティー関連の問題にパッチを当てるためにインプラントを更新する方法について質問しましょう。

 結局のところ、テクノロジーは私たちの生活の重要な拠り所になってきています。私たちが自分自身で安全に配慮することで、メリットを享受することができるのです。

※本ページの内容は、2018年10月22日(US時間)更新の以下のMcAfee Blogの内容です。
原文:The Connection Between IoT and Consumers’ Physical Health
著者:Shailaja Shankarf

カテゴリートップへ