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6000円で超音波水耕栽培槽を自作してみた

2018年10月20日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 いずれ地球は人類が住めない星になる。そんなインターステラーのような時代がやって来る前に、我々にできることと言えば、気休め程度に二酸化炭素の排出を抑えるか、イーロン・マスクの宇宙開発事業に賛意を送る程度のことしかない。

 しかし、それではあまりにおもしろくないのではないか。もっと積極的な気休めがほしい。ということでこの夏、家で植物を育てる研究を始めた。要するに、主婦のみなさんが100均の材料でやっている水耕栽培だ。ビギナーの私としては、まず市販の水耕栽培装置を使ってやってみたが、これがことのほかおもしろかった。

 植物を育てると聞けば、なにかこうハートフルな、ヒーリングミュージックでも聴いている、白い紙より茶色い紙のような生活様態を想像してしまうが、実はセンサーを使った計測やデータ解析が重要な役割を持つ、バリバリに理化学的な行為だったのである。

 あれこれ調べて(というか検索して)いるうちに、NASAが実験しているという「エアロポニックス」という栽培方法に、かなりグッときた。これは空間に浮いた根に向かって、水を噴霧するという栽培方法。重力のない宇宙空間で限られた水を使い、バッチリ植物を育てるために有効な方法なのだろうと想像している。

 そこで地球脱出を控えた人類による宇宙農業の実験として、Amazonとダイソーで売られている物品を使い、この装置を自作してみることにしたのだ。

エアロポニックスを簡単にやる方法

 エアロポニックスのメリットは、アクティブ型の水耕栽培一般と同じ。根に空気を十分に吸わせることで効率良く育てようというもので、そのもっともラジカルな発想がエアロポニックスということになる。

 ハードとしては高圧ポンプを使って養液を霧状にスプレーする、あるいは低圧ポンプでチョロチョロかけるといった仕掛けが主流のようだ。いずれも栽培槽の縁にぐるっとパイプを回し、内に向けて複数のノズルで噴射するのが一般的。

 最初はそうした仕組みを自作しようと考えていたが、まず噴霧させる程度の水圧がかけられるポンプは、相応にうるさい。そしてパイプの加工や工作に時間も手間もかかる。なんか面倒くさいので、もっと簡単で静かな方法はないかと調べているうちに、超音波霧化器に行き当たった。これだ。

 「ミストメーカー」とか「ウルトラソニックアトマイザー(Ultrasonic Atomizer)」と言われているもの(ここでは面倒なのでアトマイザーと呼ぶことにする)。加湿器に使われている仕掛けと同じで、振動板を超音波で動かして水を霧にする。これを栽培槽の養液中に投入すると、ドライアイスにお湯をかけたような状態になり、霧がもくもくわいてくる。もちろん超音波だから人間の耳に動作音は聞こえない。

 私が買ったのはAGPtekというブランドの製品で、税込2200円。DC24V駆動で、ACアダプターが付属する。同じブランドでシルバーの金属筐体のものも買ってみたが、気化能力は同じはずなのにパワーに乏しいため、今回は使わなかった。

Image from Amazon.co.jp
AGPtek 超音波霧発生装置(水槽、築山、池など用) ミストメーカー

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