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バイドゥが米国のAI団体に参加、米中協調を演出

Will Knight

2018年10月19日 05時55分更新

記事提供:MIT Technology Review

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アマゾンやグーグル、フェイスブックによって設立された非営利団体「パートナーシップ・オン・AI(Partnership on AI)」は10月16日、中国最大の検索エンジン企業であるバイドゥ(Baidu)がパートナーに加わると発表した。中国と米国が「人工知能(AI)の軍拡競争」をしているなら、バイドゥはなぜ、米企業が作ったコンソーシアムに参加したのだろうか。

理由はいくつかある。1つは、中国政府の方針に沿ったものだ。米中の貿易戦争が過熱する中、AI分野での軍拡競争を軟化させようと躍起になっているのだ。2つ目はあまり言われてないことだが、米中両国のAI開発者は自らが国家間の争いに参加しているとはまったく思っていない、ということだ。

パートナーシップ・オン・AIには現在、10カ国70以上の企業・団体が参加している。団体を率いるのはオバマ政権の顧問も務めたテラ・ライオンズで、2018年3月に開かれたMITテクノロジーレビュー主催の年次カンファレンス「EmTechデジタル」では、AI分野にはさらなる多様性が必要だと講演した

バイドゥの張亜勤社長は次のような声明を発表している。「AI技術が発展を続け、AIアプリケーションが拡大していく中で、AIの将来に関するグローバルな討議に参加することの重要性を認識しています。AIの安全性、公平性、そして透明性の確保は後付けではなく、われわれが開発するプロジェクトやシステムの最初から深く考慮しておく必要があるのです」。

AI研究におけるバイドゥの歴史を振り返ってみると、AIの軍拡競争という概念が誇張されたものであることを示す別の兆候も存在する。北京に本社を置くバイドゥは、AI研究に大規模な投資をした中国初の企業だが、それらは米国を拠点に活動する著名なAI専門家アンドリュー・ングの指導のもとで進められた。ングはスタンフォード大学で教鞭を取ったのち、グーグルで巨大なAIプロジェクトを率いた経歴を持つ。現在は、米中両国において多様なプロジェクトを推進している。

中国のAI企業は最近、政府が監視に使う技術について、批判を受けている。批判自体は正当なものだが、中国の企業や研究者、消費者は、欧米ほどこうした問題に関心を持っていない。

バイドゥの今回の動きは、米中両国がAI分野において、一般に思われているよりも多くの共通点を有している可能性を示している。

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