先月発売されたiPhone XS/iPhone XS Maxに続き、今月末にはiPhone XRも登場する。新しいiPhoneを買ったので、家族用などにお古のiPhoneを格安SIMで有効活用する使い方を考えている人も多いはず。そこで、格安SIMでiPhoneを使うための方法をあらためておさらいしたい。
SIMロック解除なしでも格安SIMが使える
格安SIMでiPhoneを使うための一番手っ取り早い方法は、SIMフリー版をApple Storeで購入することだろう。キャリアで売られたものでもSIMロックを解除すれば同等になる。あとは格安SIMを挿して、各MVNOが用意している構成プロファイルをインストールすれば、すぐに利用できる。
iPhone 6s以降のiPhoneであればSIMロックは可能だが、SIMロック解除しなくても利用できるケースもある。代表的なのがドコモ向けのiPhoneにドコモネットワークを用いる格安SIMを挿入して使う場合。これならSIMロック解除に対応していない時期のドコモ版iPhone、具体的にはiPhone 5s/5c以降ならばSIMロックの有無にかかわらず格安SIMで使えるということになる。
ソフトバンク版のiPhoneについても、ソフトバンクネットワークを利用する格安SIM(LINEモバイル、mineoなど)でそのまま利用できるが、「iPhone用SIM」などと名付けられたSIMが必要なケースがあるので注意が必要だ。
auは少し複雑。au版iPhoneでも、iPhone 8以降なら、auネットワークの格安SIM(mineo、BIGLOBE、IIJmioなど)で使えるが、iPhone 6s~7(SEを含む)ではSIMロック解除が必要。また、iPhone 5s/5c/6ではSIMロック解除は不要だが、音声通話が3GのSIMが必要で、音声通話がVoLTEタイプのSIMしか提供していないMVNOの場合は使えない。そして、いずれのケースでもテザリングが現在のところ非対応(10月末以降に対応の可能性あり)。
SIMロック解除すれば、SIMフリー版との差がなくなる
iPhoneの良いところはどのキャリアで販売された端末でも基本的に中身は同じなので、SIMロックさえ解除すれば基本的にSIMフリー版として売られているものと同様になることだ。たとえば、ソフトバンク版のiPhoneをSIMロックの解除後に、ドコモネットワークの格安SIMやドコモ契約のSIMでまったく問題なく使える。
これがAndroid端末の場合、同じ製品名の端末でも、販売されているキャリアごとに対応周波数帯の差があって、SIMロックを解除して、他のキャリアのSIMを使った場合、サービスエリアが不利になったり、消せないプリインストールアプリがあったり、そしてそもそも端末にキャリアのロゴマークが入っていたりと、使い勝手にも影響してくる。
そのためiPhoneはSIMロックを解除しておくと活用が広がるし、たとえば中古専門店に下取りに出しても、SIMロックを解除しているかどうかで価格が全然異なる。ウェブ経由での手続きは無料なので、格安SIMに全く関係がないという人でも、iPhoneを購入してSIMロック解除できる状態になったら(一括購入の場合は即日、分割時は101日目以降)、すぐに解除しておくことを強くおすすめしたい。
格安SIMで使うにはまず構成プロファイルのインストール
続いて格安SIMでiPhoneを使う方法だ。基本的にはSIMを挿入した段階で音声通話が可能になり、構成プロファイルをインストールすればモバイルネットワーク経由でインターネットも使えるという手順となる。
構成プロファイルがないとモバイルネットワークからインターネットに繋げられないが、構成プロファイルはインターネットからダウンロードしてくる必要があり、1個しか入らない。そのままだと鶏と卵の関係なので、構成プロファイルはWi-Fi経由でインストールする必要がある。手順は以下のようになる。
・適当なWi-Fiでインターネットに接続する
↓
・「設定」→「一般」→「プロファイル」で既存の通信に関する構成プロファイルがないか確認、ある場合は削除する
↓
・Safariで「“格安SIM事業者名” 構成プロファイル」などで検索し、構成プロファイル配布ページを開く
↓
・構成プロファイルをダウンロードするとインストールされる
これで接続される。もし、なかなかモバイルネットワークに接続されずデータが流れてこない場合は、電源を切って再度立ち上げるとうまくいく場合がある。
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