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電池不要で服用状況を送信できる、3Dプリンター製スマート薬瓶

2018年10月11日 12時02分更新

文● Charlotte Jee

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薬瓶や義肢といった物体が、電池を使わずに、使用状況を発信できるようになった。

ワシントン大学の研究チームは、物体にアンテナを埋め込み、薬瓶の開閉のような特定の動作をしたときにアンテナが作動するようにした。2本のアンテナが送信する後方散乱信号の変化によって、物体がいつ、どのように使われたかを伝えるモールス信号のようなパターンを作り出す仕組みだ。

ワシントン大学の研究チームは、開発したデバイスの活用対象として、義肢などの支援テクノロジーや、毎日の服薬を患者に知らせる「スマートな」薬瓶、インスリンの自己注射を挙げている。今回開発された技術を活用することで、これらの機器が人々にどう使用されているか、正確に確認できるようになるだろう。機器の水濡れや、Wi-Fi信号の切断、電池切れの心配は無用だ。

いまのところ、この機器はまだ試作品だが、 3Dプリントされた材料が双方向の動きを検出し、データを保存できることを示している。チームの次の課題は、日々使用する類の物体に埋め込めるように、試作品の小型化を進めることになるだろう。チームは研究成果を、10月15日にベルリンで開催される 「ACM UIST(ACMシンポジウム・オン・ユーザーインターフェイス&テクノロジー)」で発表する予定だ。

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