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さとうなおきの「週刊アジュール」 第60回

「Ignite 2018」アップデート ~アプリ開発編~

.NET Core実装のサーバーレス「Azure Functionsランタイム2.0」がGA、Windows、macOS、Linuxで動作

2018年10月09日 11時00分更新

文● 佐藤直生 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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 こんにちは、さとうなおきです。2018年9月24日~28日にかけて、米国オーランドでMicrosoftの年次カンファレンス「Microsoft Ignite 2018」が開催されました。「週刊アジュール」では、基調講演での発表をまとめた「Ignite 2018」特別号外に続いて、Ignite 2018でのAzureアップデートを、インフラ編アプリ開発編データ編AI/IoT編の4回に分けてお伝えします。今回はアプリ開発編です。

Azure Functions:ランタイム2.0、Linux従量課金プラン、Pythonサポート

 Azure Functionsは、サーバーレスアーキテクチャのFaaS(関数サービス)です。

 Azure Functionsランタイム2.0が、GA(一般提供)になりました。

 Azure Functionsランタイム1.0は.NET Frameworkで実装され、Windows上でのみ動作しましたが、Azure Functionsランタイム2.0は.NET Coreで実装され、Windows、macOS、Linux上で動作します。

 Azure Functionsランタイム2.0では、macOSやLinuxでのローカル開発、Kubernetes上での実行、Azure IoT Edge上での実行がサポートされています。また、ホストプロセスから分離された新しい言語ワーカープロセスで、.NET以外の関数が動作するようになりました。関数の開発言語として、.NET Core 2.1、Node.js 8、Node.js 10などがサポートされています。

Azure Functionsランタイム1.0/2.0のアーキテクチャ

 Azure Functionsランタイム2.0では、HTTP、タイマー以外のバインディングが、ランタイムから分離された拡張機能になり、ランタイムから独立してバージョンアップが可能になりました。最近、Azure SignalR Serviceのバインディングが追加されました。

 そのほか、Azure Application Insightsとの統合が強化され、視覚化と分散トレースが改善されました。Azure Application Insightsのアプリケーションマップで、関数間の依存関係、相互作用を視覚化できるようになりました。

 新しい「デプロイセンター」や「作業の開始」のエクスペリエンスで、DevOpsの構成が簡単になりました。

 これまで、従量課金プランではWindows上のランタイムのみがサポートされていました。今回、Linux上のAzure Functionsランタイム2.0の従量課金プランのプレビューが始まりました。これは、Azure Service Fabric Mesh上で動作します。

 Linux上のAzure Functionsランタイム2.0でのPython 3.6のサポートが、プライベートプレビューになりました。

 新規のデプロイではランタイム2.0を使い、既存のランタイム1.0ベースのデプロイを2.0にアップグレードすることをお勧めします。

 詳細は、次のページをご覧ください。

Azure Logic Apps:SAPコネクター、Visual Studio Code拡張機能

 Azure Logic Appsは、多数のコネクターを通してビジネスプロセスを自動化するワークフローを開発できる統合プラットフォームサービスです。

 Azure Logic Appsで、既存のSAPコネクターに代わる、双方向の統合をサポートした新しいSAPコネクターがパブリックプレビューになりました。

 また、Visual Studio CodeでのAzure Logic Apps開発を支援するVisual Studio Code拡張機能「Azure Logic Apps for Visual Studio Code」がパブリックプレビューになりました。

 詳細は、次のページをご覧ください。

Azure Logic Apps for Visual Studio Code

Azure App Service:Tomcat/Java SE、Python、ストレージ持ち込み、削除の取り消し

 Azure App Serviceは、Webアプリ、Web API、モバイルバックエンドをホストするためサービスです。

 App Service on LinuxでのTomcat、Java SEのサポートが、GAになりました。

 詳細は、次のページをご覧ください。

 App Service on LinuxでのPython 3.6/3.7のサポートが、プレビューになりました。

 詳細は、次のページをご覧ください。

 App Service on Linux、Web App for Containersで、「ストレージ持ち込み」機能がパブリックプレビューになりました。この機能を使うと、App Service on Linux、Web App for Containers上のコンテナーで、Azure Blob Storage、Azure Filesをマウントし、その中のファイルにアクセスすることができます。

 詳細は、次のページをご覧ください。

 Azure App Serviceで、「削除の取り消し」(Undelete)がパブリックプレビューになりました。Basic以上のApp Serviceプランで、削除後30日以内であれば、削除済みのアプリのコンテンツ、構成、(可能な場合は)ホスト名を復元できるようになります。

 App Service Environments、Azure Functionsでは、今後、削除の取り消しがサポートされる予定です。

 「App Service診断」(App Service Diagnostics)は、アプリの問題の診断、トラブルシューティングを支援する機能です。今回、App Service診断のエクスペリエンスが新しくなりました。

 詳細は、次のページをご覧ください。

App Service診断

Azul Systemsとの提携:Java LTSバージョンの無料提供

 Oracleは、Java SE 11から、これまで無料で提供されてきたOracle JDKへのバグ修正やセキュリティパッチを、有償サポートを結んだユーザーに対してのみ提供するようになりました。

 MicrosoftはAzul Systemsと提携し、Azure、Azure Stackのユーザーに対して、Azul Systemsが提供するOpenJDKベースの「Zulu Enterprise」を無料で提供することを発表しました。Java SEのLTS(長期サポート)バージョン(Java SE 7、8、11)が対象です。

 Azure Virtual MachinesのLinux VM、Windows VMでの利用に加えて、前述のApp Service on Linux上のJava SEも対象になります。

 Azure、Azure Stack上で、安心して長期にわたってJavaベースのアプリケーションを稼働できるようになりますね。

 詳細は、次のページをご覧ください。

Azure、Azure Stack上のZulu EnterpriseのJavaサポートライフサイクル

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