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子育てにおいて引け目なくテクノロジーを使える社会へ

「手間こそ愛情」は本当か?ベンチャー5社「子育Tech委員会」始動

2018年10月02日 17時00分更新

文● 大谷イビサ/Team Leaders

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 2018年10月2日、カラダノート、ファーストアセント、AsMama、オトバンク、ピクスタなどITベンチャー5社は、子育てにおけるテクノロジーの利用を推進する「子育Tech(こそだてっく)委員会」を発足した。

子育てにテクノロジーを活用できる社会に向けて

 カラダノートが提唱する「子育Tech」は「ITやテクノロジーを活用し、心身ともにゆとりある子育て環境の実現を目指すサービス」を指す。具体的には、「育児の記録や共有を効率化するもの」「育児の情報収集を効率化するもの」「育児にまつわる夫婦間のコミュニケーションの糸口になるもの」と定義されるという。カラダノートは、今回の子育Tech委員会の発起人にもなっており、5社共同で子育て×ITの認知向上や発展を目指すという。

 2018年10月2日時点で、子育Tech委員会に参画した企業は以下の5社になる。

カラダノート
子育Tech委員会の発起人で、2018年3月より「子育Tech」を提唱する。「家族の健康を支え笑顔を増やす」をスローガンに、子育て情報を毎日届ける「ママびより」や陣痛や授乳など間隔の測定アプリ、離乳食管理アプリなど12アプリを提供しており、約50万人が利用しているという。
AsMama
送迎や託児などの子育てニーズを共助する「子育てシェア」のコミュニティをアプリで実現。2018年8月末時点の登録者数は5万7904人、解決案件2万1590件に上る。会員同士で安全に利用するため、全支援者に損害保険を適用したり、見知らない人とつながらない安全認証、1時間500円のお礼ルールなどの取り組みを進めている。
ファーストアセント
赤ちゃんの泣き声から感情を分析する泣き声診断機能を持つアプリ「パパっと育児」、保育園などで保育者をサポートする「ホイサポ」、妊娠中からの赤ちゃんの記録に役立てる「妊婦日記」などの子育てアプリを提供。
ピクスタ
デジタル素材のマーケットプレイス「PIXTA」を運営するピクスタ。カメラマンとユーザーをマッチングさせる出張撮影サービス「fotowa」を提供。お宮参りや卒入学、七五三などのイベントで、自然体の家族写真を撮影できる。
オトバンク
本を聞けるオーディオブックの制作や配信を手がける。2007年にサービスを開始し、2018年に「audiobook.jp」としてサービスをリニューアル。配信作品は2万5000点、会員数は現在50万人を突破している。寝かしつけや家事などのスキマ時間を使った「ながら読書」が増えていることから、「オーディオブック×子育て」を訴求する。

「手間をかけてこそ愛情」の認識がテクノロジー利用を阻害する

 今回こうした委員会が発足した背景には、共働きが進み、ワンオペ育児などが問題となる中、テクノロジーがまだまだ子育てに活用されていない現状がある。

 出産後おおむね2週間で職場復帰し、母親以外の第三者が子育てを行なうことの多い米国では、妊娠から乳幼児の育児に役立つ「BabyTech」という分野がすでに市場として認知されている。その一方、日本では「手間をかけてこそ愛情」という認識を持つ人も多く、年齢が上がるほどテクノロジーの利用、ひいては効率化を図ること自体に否定的な価値観が見られるという。カラダノートが行なった子育てとテクノロジーに関する意識調査では「スマホやアプリを使っていて、注意されたり、周囲からネガティブな反応をされた経験は6割に上る」という結果も出ている。

テクノロジーは理解するものの「手間や手続き=愛情」の認識は深い

 これに対して、子育Tech委員会ではテクノロジーを子育てにうまく取り入れられる社会の実現を目指す。第一段階はおもにイベントや調査報告を通して、子育て現役世代への認知と意識改革を図る。第二段階では、孫育て世代への共感を深めつつ、地方自治体やNPO法人とも連携する。こうして家族、地域、社会とコミュニケーションを深め、子育て世代が心身ともにゆとりを持ち、子どもに愛情を注げる社会を実現するという。参画企業は今後も募集する予定で、10社以上になった段階で一般社団法人化を目指すとのこと。

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