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個人でもキャッシュレス決済が導入できるKAZAPi 第4回

キャッシュレスで利便性を向上

社員食堂をリニューアルしたポーラ、電子マネー決済で支払時の大行列を解消

2018年09月26日 10時00分更新

文● 山下 竜大 編集●三宅

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顧客の「美」をサポートするポーラ
社食のリニューアルで「食」を改善

「最上のものを一人ひとりにあったお手入れとともに直接お手渡ししたい」という創業の思いに基づいて、スキンケア・メークブランドの展開、エステサービスなど、「美」をさまざまな角度よりサポートする事業を国内外で展開する株式会社ポーラ。化粧品、カウンセリング、エステの3つのサービスを融合したショップ「ポーラ ザ ビューティー」をはじめ、全国4,200店舗を展開(2017年12月現在)。約4万6,000人の美容のスペシャリスト「ビューティーディレクター」が、顧客1人ひとりの「美」をサポートしています。

 また、ポーラ美術館やポーラ美術振興財団、ポーラ伝統文化振興財団などの文化活動・文化支援活動をはじめ、新体操ナショナル選抜団体チーム「フェアリー ジャパン POLA」のオフィシャルパートナーとしてのスポーツ支援活動、「良き企業市民として、社会に対して責任を果たし、貢献していく」ことを目指すCSR活動など、美しく豊かな社会づくりをサポートする取り組みを推進。さらに福利厚生の充実にも注力しており、その一環として2017年8月に五反田本社(東京都品川区)の社食をリニューアルしています。

片側が全面ガラスの採光で、地下階とは思えない明るい社食。

 人事戦略部 ワーキングイノベーションチームの寺本香織さんは、「ポーラの社食は、地下1階にあります。座席数は179席で、ランチタイムは11時30分から14時まで。そのほかの時間は、カフェコーナーとして、または社員の打ち合わせ場所として利用できます」と話します。地下とはいえ、壁の1面がガラス張りの吹き抜けになっているので、明るい日差しが差し込みます。また別の壁には、全面に萩原賢樹氏のアートが描かれており、いわゆる社食というイメージではなく、明るいカフェといった雰囲気です。

 さらにCSR活動の1つとして、開発途上国の子どもたちに給食の提供を目指す認定NPO法人「TABLE FOR TWO」の活動に参加しています。「716社の企業が参加するTABLE FOR TWOの取り組みでは、対象のランチを注文すると1食につき開発途上国の給食1食分にあたる20円が寄付されます」と寺本さんは話します。2018年8月に開催された「第4回 TABLE FOR TWO総選挙」では、ポーラの「スーパーフード美肌定食」が、メニュー部門において第2位に選ばれています。

カロリー表示されたヘルシーなメニューが入り口を飾る。メニューは日替わりで、一年通して様々なランチが楽しめる。月ごとのイベントメニューも企画され、取材した9月はからあげフェア。

 ランチのメニューは、ランチA、ランチB、プレミアムメニュー。そのほか、カレーやうどん・そば、各種サイドメニューおよび副菜、サンドイッチやフルーツなどのカフェメニューなども購入できます。社食における支払いの仕組みとして、マルチ電子マネー決済端末である「KAZAPi(かざっぴ)」が採用されています。

KAZAPiの採用で決済時の利便性が向上
オートレジ時代の大行列が解消

 リニューアル前のポーラの社食では、ごはんやおかず、サイドメニューなどが盛られた食器の裏にICタグが取り付けられ、そのICタグに値段が登録されていました。利用者は、食べたいものをトレーに乗せて、オートレジに乗せると、オートレジがICタグの値段を読み取り、ICカードにチャージされた電子マネーで支払うという仕組みでした。

 人事戦略部 ワーキングイノベーションチームの重住朋佐さんは、「2014年ごろからオートレジを採用していたので、ICカードを使った決済システムは導入していました。しかし、オートレジが3台しかなかったために、ピーク時には大行列ができていました。食堂のリニューアルに伴い、この行列問題を解消したいと考えていました」と話します。

「日本全国の事業所から、研修などで本社に来たときにも社食を利用できるように、対応するICカードの種類を増やしたいという思いもありました。SuicaやPASMOなど、首都圏で発行されているICカードは使えたのですが、地方の私鉄系ICカードも利用できると、もっと便利になると思っていました」(重住さん)。

EC開発室の高村里美さんにご協力いただいて、支払いの様子を撮影。トレーにお皿がたくさん乗っていても片手で簡単に支払いができる。

 リニューアル後の社食では、メインのカウンターに3台、副菜コーナーに2台、サイドメニューのコーナーに2台、ごはん・お味噌汁のコーナーに2台、カフェコーナーに1台、合計10台のKAZAPiが導入されています。重住さんは、「窓口ごとに精算できるので、利便性が向上し、大行列を解消できました」と話します。

 また、地方の交通系ICカードに対応していることも、KAZAPiを採用したメリットの1つ。食器の裏にICタグを取り付ける作業が不要になり、ICタグを購入する必要もなくなりました。さらにオートレジの導入には、かなりの投資が必要でしたが、KAZAPiはほとんど導入コストがかかりませんでした。

 社食を利用している人事戦略部の高﨑佳菜美さんは、「いつも通勤やコンビニで使っているICカードを、そのままランチで使えるので本当に便利です。チャージ機も設置されているので、残高不足の心配もありません。以前のように支払いの行列もできないので、お昼の時間を有効に利用できるようになりました」と話します。

高﨑さんは銀行系の電子マネーをスマホに登録して利用。電子マネー独自のポイントもつくなどメリットも多いとのこと。

カフェコーナーもスマホで支払い。社食にKAZAPiが10台あるため、ピーク時は決済時の電子音があちこちから聞こえた。

「オートレジでは、半年に1度程度、故障していましたが、KAZAPiは導入後1年間、まったく故障していません。そのため運用・維持コストの削減にもつながっています」(寺本さん)

 KAZAPiを知ったきっかけを重住さんは、「食堂のリニューアルをお願いした委託会社の紹介でした。KAZAPiは、すでに数多くの社食で実績があったので安心して採用を決めました。ほかの仕組みは検討しませんでした」と話しています。

ランチタイム以外はカフェコーナーや打ち合わせスペースにもなる社食。この広いスペースにKAZAPiが10台設置されている。

メニュー別に窓口があり、それぞれにKAZAPiが用意されていて、その場で決済していく仕組み。

社食には11時30分から13時までお邪魔したが、どのメニューの窓口も列が発生することがなかった。KAZAPiで支払ってトレーを受け取るだけなので、時間のロスもなく、忙しい合間でも食事が取りやすい環境。

カードの残高が足りなくなってもチャージ機があるので安心。

チャージする手持ちの現金がなくてもATMがあり、社食での支払いは完全にキャッシュレス化されている。

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