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北海道の地震から停電復旧まで 千歳ではジンギスカンで過ごす

2018年09月11日 15時00分更新

文● 四本淑三

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 さあ、そろそろ寝ようかとベッドへ横になったときに初期微動はやってきた。ああ、これは大きい地震だ。道央の内陸でこれは珍しいぞ。こんな大きな地震は初めて体験するなあと思いつつ、床の上を転がりながらiPhoneのLED照明モードを探していた。揺れている最中に停電してしまったからだ。

びっくりするほど被害なし(9月6日明け方 地震発生直後)

 初期微動は音程として聞き取れるほど波長が短く、かつパワフルだったから、それなりの覚悟を決めるしかなかったが、揺れの割に被害は驚くほど少なかった。

 家の中は、せいぜいギターが2、3本倒れたくらい。家の外も見てわかるダメージはない。近隣の住宅にも被害はなかったようだ。北海道の住宅は積雪荷重が計算に入っているから丈夫とはいえ、これはラッキーだったと思っていいのだろうか。

 自宅がある千歳市の震度は6弱。震源は気象庁発表で北緯42度41分、東経142度。自宅からの距離は約40km。まるで直下型のように感じられたから、震源までの遠さも意外だった。

 Twitterをざっとスクロールして、苫東厚真発電所が故障し、道内全域の送電システムが落ちた、というツイートを見つけた。事実かどうかは別として、現状から想像できる最悪の状況だろう。とりあえず復帰時の過電流に備えてブレーカーを落とし、バスタブに水を張り、携帯ラジオに電池を詰めて、モバイルバッテリーの電力を確認。このあたりの対応は3.11以降、繰り返し起きた災害で学習済みだ。

徐々につながらなくなる携帯(9月6日朝 地震発生から6時間)

 ただ、自分の生活圏で起きてみるとショックが違う。厚真町の惨状を画像で見て愕然とした。大変なことになってしまったと思った。

 自分の当面の問題は、直近の仕事と予定変更の連絡だ。電源がないのでネット接続は無理だし、市中のWi-Fiスポットも使えない。頼みは携帯のモバイル通信だが、これも電源を絶たれた基地局のバッテリーが尽きつつあって、10時を過ぎた頃にはデータの送受信もままならない状況に。簡単な原稿の送信にも4時間以上もかかった。

 しばらくどうにもならないから適宜よろしく。とASCII編集部に連絡したところ、では震災体験レポを書いておくように、という指令が降った。

 しかし、自分が置かれている状況はただの停電だ。家族や家を失った人たちの状況に比べれば「たかが電気」がないくらい、まったく大したことではない。一応は健康で、透析の必要もない私は、ただ電気のない状態をどうにかしてぼんやり過ごせばいいだけだった。

オール電化住宅は悲惨

 せっかくバスタブに水を貯めたが、市の水道局は非常電源で運用を続けたらしく、水道はその後も当たり前に使えた。市内のコミュニティセンターには給水所が設けられたが、これはポンプが止まって断水しているマンションの住民のためだ。おそらく停電が長びくと、みんな風呂に困るだろう。

 オール電化住宅である我が家も同じで、電源を絶たれると、まず風呂は諦めなければならない。電力会社は「水力、火力、原発、再生可能エネルギーをバランスよくミックスして」と説明するくせに、こういう脆弱なものを年寄り(つまり親)に売りつけたわけだ。電気だから火事にならないというわけではないし、灯油は自宅にエネルギーを備蓄できるメリットがある。家庭でも電気、ガス、灯油とエネルギーを分散させた方がいい。

 そんなわけで、後付対策として石油ストーブとカセットコンロを常備しているのだが、こうして文句を垂れるくせに、なんとガスボンベのストックを切らしていたのだ。Oh No……。

 この状況でガスボンベを入手するのは難しい。おかげで風呂も加熱調理もできない状態となった。

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