ソニーやシャープもいち早く対応
スマートテレビ編
日本のブランドではソニーとシャープがいち早く対応することになる、Android TVを採用するスマートテレビへのGoogleアシスタント内蔵については、2018年内の実施に向けた準備が着実に進んでいるようだ。IFA 2018ではLGエレクトロニクスもGoogleアシスタントと、自社のスマート家電機器のコントロールに対応するThinQにハイブリッドで対応したスマートテレビのデモンストレーションを行なっていた。
ソニーは国内モデルも発表されたブラビアのフラグシップ、「A9F」シリーズと「Z9F」シリーズがともにテレビの本体にマイクを内蔵するかたちでGoogleアシスタントと連携できるようになる。つまり、テレビのリモコンが手もとになくても、スマートスピーカーと同じようにテレビにむかって「OK グーグル」とトリガーワードを話しかけてから、動画の検索、音楽再生にスマート家電のコントロールが行なえるということだ。
天気やマップなどWeb検索の結果はテレビの大きな画面に表示されるようになるので、Amazon Echo Spotのような“スクリーン付スマートスピーカー”のような使い方ができるとも言えそうだ。ソニーはGoogleのスマートディスプレーの初期パートナーとして、今年のはじめから名前が挙げられているブランドだが、いまだに製品が発表されていないところを見ると、まずはGoogleアシスタント内蔵ブラビアの立ち上がりから様子を見て、小さいスクリーン付スマートデバイスの展開を検討する考えなのかもしれない。
ソニーのAndroid TVを搭載するブラビアも近く対応することを予告しているが、Amazon Alexa対応をうたうテレビもフィリップスなど海外勢がアピールしていた。またパナソニックもビルトインまではいかないものの、Works with Google Assistant対応による音声コントロール機能を欧州モデルのビエラが追加していく戦略を発表した。
AIアシスタントから動かせる家電機器
AIアシスタントによる音声操作に対応するスピーカーにテレビなど、コントローラー側の機器ばかりが増えたところで操作できる機器に広がりが見えないことには宝の持ち腐れになる。欧州ではマーケットをリードするブランドが多種多様なスマート家電を商品として発売していた。
数年前にIFAやCESで発表された当時は誰もが“話題づくり”として受け止めていた、フロントドアにタッチスクリーンを搭載したスマート冷蔵庫は、サムスン電子とLGエレクトロニクスがコンスタントに商品をアップデートしながら販売し続けてきたことによって、プレミアムクラスの生活家電としての立ち位置を獲得したようだ。これにハイアールや欧州の家電ブランドが続くかたちで“スクリーン付スマート冷蔵庫”を続々と発売している。
サムスン電子とLGエレクトロニクスは冷蔵庫に洗濯機、ロボット掃除機に止まらず、エアコンやワインセラーまでバラエティに富んだ白物家電を積極的に“スマート化”している。中国のハイアールも、来年以降独自のクラウドサービスと連携するスマート家電を欧州市場に向けて一気に投下する予定だ。IFA 2018ではプロトタイプの製品・サービスを紹介していた。
地元欧州のボッシュやシーメンスも白物家電のスマート化に積極的な姿勢をみせている。ボッシュの担当者は「プレミアムクラスのラインナップをスマート化する段階は完了した。次はスマート機能を“当たり前”のものとして、ミドルからスタンダードクラスのレンジにまで広げながら付加価値提案を成功させる段階にきた」と現状を語っていた。
来る「5G」の時代にはさまざまなIoTデバイスがスタンドアロンでネットワークにつながり、ユーザーに便利で快適な使い方を提供できる時代がくると言われている。欧州はその最先端を行く地域になるかもしれない。
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