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「avenue jam」特別対談 第26回

対談・Planetway CEO 平尾憲映× アクセンチュア アクセンチュア・デジタル・ハブ統括 マネジング・ディレクター 保科学世 第2回

モノの「個人情報」が世界を変える:プラネットIDとAI HUBが作るもの

2018年09月11日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)編集●ASCII

提供: プラネットウェイ

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 外資系コンサル大手のアクセンチュアは2018年1月に、複数のAIエンジンを一元管理できる「AI HUB プラットフォーム」を発表した。複数のAIエンジンから最適なエンジンを自在に組み合わせることができ、人間のオペレーターとの協調も可能にするプラットフォームだ。このAI HUBのセキュリティ性能を大きく向上させているのが、企業間のセキュアな情報連携基盤プラネットクロスを提供するスタートアップ、 プラネットウェイだ。パブリックなAPIとして提供される事が多いAIエンジンと、社内にあるデータや顧客データを組み合わせてサービスを提供する際、情報漏えいを防ぐために同社の「プラネットクロス」を使っている。外資系大手と気鋭のスタートアップ。両者が組むことになった理由を解き明かす。(全3回)

AI HUB プラットフォーム

Speaker:
プラネットウェイ 代表取締役CEO
平尾憲映

1983年生まれ。エンタメ、半導体、IoT分野で3度の起業と1度の会社清算を経験する。学生時代、米国にて宇宙工学、有機化学、マーケティングと多岐にわたる領域を学び、学生ベンチャーとしてハリウッド映画および家庭用ゲーム機向けコンテンツ制作会社の創業に従事。在学時に共同執筆したマーケィングペーパーを国際学会で発表。会社員時代には情報通信、ハードウェアなどの業界で数々の事業開発やデータ解析事業などに従事。

アクセンチュア
デジタルコンサルティング本部
アクセンチュア・デジタル・ハブ統括
マネジング・ディレクター
保科学世

慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了 理学博士。アクセンチュアにてAI HUBプラットフォーム、AFS[Accenture Fulfillment Service]、ARS[Accenture Recommend Service]など、アナリティクス/AIサービスの開発を指揮。また、それらサービスのデリバリー責任者として多数のプロジェクトにかかわり、分析結果を活用した業務改革を実現。アナリティクス領域以外でも、大手メーカー、通信キャリアを中心に、大規模基幹系システムのシステム導入経験多数。

機械1つ1つにIDを振っていき、
工場や倉庫などの垣根を超えて最適化したい

── AI HUBでもプラネットウェイの個人情報許諾システム「プラネットID」が使えるんですね。

保科 今の世の中、IDは特定の組織に依存しています。複数社をまたがってデータが共有され、でも自分のデータは自分で完全にコントロールできるようなシステムはまだありません。そういうものはあるべきだし、そういうものになることをプラネットIDには期待しています。

平尾 いまは個人情報を管理するものとして使っていますが、最終的には人だけでなくモノを含めたすべてに対するIDになった方がいいだろうと思っているんですよ。

保科 モノにもつけていくんですか! それは非常にありがたい話ですね。AI HUBはいま、人間のコミュニケーションが中心ですが、これからAIがやっていくのは人間よりも機械の部分、アクセンチュアがやっているIoT事業「インダストリー X.0」にも力を入れたいと思っているんです。人と人の会話、人と機械の会話、機械と機械の会話にAI HUBの開発は力を入れていきたい。たとえば工場全体の最適化。さらには工場と倉庫、その先にあるサプライチェーンを含めてどうAIで最適化させていくか。いま大変力を入れているのがこの分野です。プラネットIDはそこにキーとなる技術としても使えそうですね。

平尾 使えますね。工場の機械1つ1つにIDを振っていき、機械と紐ついたデータを集めて、AI HUBに投げて、最適なエンジンに通す、ということができますし。当然ロボットなんかにも入れられますからね。

保科 既存の工場やオペレーションの最適化に大きくつながりますのでぜひやりたいです。工場や倉庫などの垣根を超えてどう情報を紐つけるか、プラネットIDの技術とどうやって連携させていくかを考えていきたいです。

平尾 プラネットクロスも、RDMS(Relational Database Management System)だけでなくデバイス単位でモジュールをインストールできるように開発を進めているんですよ。そうすれば、スピーカーとカメラにモジュールを入れて、IDをふっていくという世界観も実現できます。

 日本でサイバー攻撃関連の通信が1500億件に増えたという話がありますが、あれもほとんどIoTでしたよね※1。数百億台のカメラやデバイスがハッキングされているわけです。海外に日本の監視カメラの映像を見られるWebサイトもあるんですよ。

 いまはなんでもIoT、IoTと言っていますが、新しいことをやろうとしたときに、正の面しか見ないのは危険です。ブロックチェーンも、M2M(Machine to Machine)もそうですが、恩恵としっぺがえしを両方考えないといけない。攻めと守りを両方加味した上でスマートオートメーションをやっていかないといけないと思っています。

(第3回につづく)

(提供:プラネットウェイ)

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