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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第117回

4K液晶&デュアルカメラが魅力のXperia XZ2 Premium使い勝手は?

2018年09月05日 12時00分更新

文● 村元正剛 編集●ASCII編集部

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夜景の撮影でデュアルカメラの威力を実感!

 Xperia XZ2 Premiumの最大のセールスポイントはカメラだ。カメラアプリの操作性は、従来のXperiaシリーズを継承しており、ほとんどの状況で「プレミアムおまかせオート」で撮影できる。暗いシチュエーションでは、自動でISO感度が上がり、高感度撮影に切り替わる仕組みだ。静止画撮影時の最大ISO感度は、スマホに搭載されるカメラとしては画期的な「51200」なのだが、筆者が撮影した範囲では、プレミアムおまかせオートで設定されるISO感度は、高くても「8000」までだった。やみくもに高感度に切り替わるのではなく、低ノイズできれいに撮れる設定になるのだろう。

※作例は原寸大で掲載しています。データ通信量にご注意ください。

「プレミアムおまかせオート」で撮影。ISO感度は1250に設定された

「プレミアムおまかせオート」で撮影する場合、タップしてピントを合わせる位置によって、ISO感度が変わり、明るさも変わる。この写真はISO感度が400だった

空をタップすると、ISO感度は1600に設定され、夜空にうっすらと見える雲まで写った。ただし、駅舎の明るい部分は飛び気味に

夜でも明るい繁華街では、ISO感度は200に設定され、シャープな画質で撮れた

 なお、マニュアルに設定すると、ISO感度を自分で設定して撮影することができる。暗い部屋で、ISO感度を変えて撮影してみた。当たり前のことだが、真っ暗な部屋では、いくら感度を上げても暗くしか撮れなかった。

ほぼ真っ暗の部屋で、マニュアルでISO感度を51200に設定して撮ったが、机に置いたEcho Spotの画面しか写らなかった

カーテンを開けて、薄っすらとした光を入れても、ISO51200で撮っても、この程度

 続いて、肉眼でもどこに何があるかはわかる程度の部屋で撮影してみた。ISO感度を上げるほどに明るく撮れるが、それに比例してノイズは増える。また、過度に感度を上げると、本来黒いものも白っぽく写ったり、色も不自然になった。筆者は、まだISO51200での高感度撮影が生かせる状況には遭遇していないし、おそらくそういうシチュエーションは限定的だろうと思う。

ISO200で撮影

ISO1250で撮影

ISO3200で撮影

ISO12800で撮影

ISO25600で撮影

ISO51200で撮影

  今年は、「Galaxy S9/S9+」(サムスン電子)や、「HUAWEI P20/P20 Pro」(ファーウェイ)など、暗所での撮影に強いカメラをセールスポイントとする機種が多い。そのことからF値や最大ISO感度に注目が行きがちなのだが、実際には日中の屋外、あるいは室内で撮影することのほうが多いはずだ。明るい状況では、従来のXperiaシリーズと同様に、明るくナチュラルな画質で撮影できた。

花や緑はナチュラルな色で撮れる

やや画角が狭いので、建物は撮りづらそうだ

明暗バランスもよく、空の色も的確

食べ物もおいしそうに撮れる

インカメラは約1320万画素で、レンズのF値は2.0。自撮りの画質も及第点

パフォーマンスは現行機種でトップクラス

 CPUは、現行機種に搭載されているものの中では最高グレードといえるSnapdragon 845(2.8GHz×4+1.8GHz×4)を採用している。メモリーは6GB、内蔵ストレージは64GB。最大400GBのmicroSDにも対応している。

 実際に使った感覚としても、動作性はきわめて軽快で、タッチレスポンスにタイムラグを感じたり、アプリの起動がじれったく感じるようなことはなかった。スマホのパフォーマンスを数値化して比較できる「AnTuTu Benchmark」アプリを用いて、ベンチマークを計測してみると、「264271」という高スコアを記録した。昨今のハイエンドモデルの中でも、さらに頭ひとつ抜き出るスコアで、パフォーマンスを重視する人には価値ある端末といえよう。

複数回計測した最高スコアが「264271」だったが、常に250000以上の高スコアをマークした

 Xperia XZ2 Premiumには、動画を視聴したり、ゲームをプレーしたりする最中に、バイブレーションの効果を体感できる「ダイナミックバイブレーションシステム」という新機能がある。これは、ありがたい人と、必要としない人に分かれる機能だろうが、個人的には「アリ」という印象を受けた。特に、ゲームをプレーするときの楽しさがアップし、音を出せず、イヤホンも持っていないという状況でも役立つ機能だと感じた。

音量ボタンを押すと、ダイナミックバイブレーションのオン・オフと強度設定が可能

 そのほかの独自機能としては、従来モデルから搭載されている「3Dクリエーター」が楽しかった。Xperia XZ2シリーズは、インカメラでのスキャンにも対応しているので、誰かの手を借りることなく、自身の3Dキャラクターを作成できる。

画面に表示されるガイドに従って3D画像を作成できる「3Dクリエーター」。結構コツが必要で、何度かの失敗を経てから、きれいにスキャンできるようになった

3Dアニメーションを作って、カメラの「ARエフェクト」に取り込んだり、SNSでシェアしたりできる

 バッテリー容量は3400mAh。標準的な使い方であれば1日は持つだろう。また、Xperia独自の「STAMINAモード」という省電力モードも備えているので、「ちょっと使いすぎた」というときでも安心だ。ただ、動画を撮ったり、ゲームをしているときに、ボディーが若干熱くなるように感じることがあった。動作に影響することはなかったが、ちょっと気になってしまった。

バッテリー容量は大きくもなく小さくもなくだが、省電力モードとの組み合わせで長時間駆動に耐えられる

【まとめ】標準モデルのXperia XZ2と比べたうえで
4Kディスプレーに価値を見出せるなら“買い”だ!

 スペックを重視するユーザーにとって、Xperia XZ2 Premiumは非常に魅力のある端末だろう。しかし、ドコモ版(SO-04K)は一括11万2752円で、月々サポート適用後の実質負担金が6万7392円。au版(SOV38)は一括10万8000円で、毎月割適用後の実質負担金は6万1776円。購入には覚悟がいる価格だ。一般的なスマホと比べて、かなり重量感があるので、実機に触れてから購入を決めるべきだ。

 Xperiaシリーズ初のデュアルカメラは、今回のレビューでは触れなかったが、動画も高感度(最大ISO12800)で撮れるという特徴を持つ。現在使っているスマホの暗所での撮影性能に不満を感じている人は、検討の価値があるだろう。しかし、日常的な撮影であれば、シングルカメラのスタンダードモデル「Xperia XZ2」でも十分に満足できる画質で撮れる。価格や持ちやすさの面でも優位性がある。

右が約5.7型のフルHD+ディスプレー搭載のXepria XZ2。横幅が約72mmで持ちやすい(次回レビューする予定)

 されど、4K画質で撮った写真や動画を、そのまま4Kディスプレーに表示できるスマホは、この機種しかない。そこに価値を見出せる人であれば“買い”だ。

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