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柳谷智宣がAdobe Acrobat DCを使い倒してみた第70回

OSの標準機能だけじゃ難しい

PDFをビジネスで使うならAcrobat DCを導入すべき5つの理由

2018年08月28日 11時00分更新

文● 柳谷智宣

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本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第70回は、PDFをビジネスで使うならAcrobat DCを導入するべき5つの理由を紹介する。

 ビジネスで情報をやりとりする際にPDFファイルを使っている人は多いだろう。とはいえ、OSの標準機能でPDFファイルは表示・作成できるし、フリーソフトもたくさん公開されている。有料のAcrobat DCを導入するまでもない、と思い込んでいる人も多いようだ。しかし、信頼性と安定性を求められるビジネスシーンでは、Acrobat DCが活躍してくれる。今回は、PDFをビジネスで使うならAcrobat DCを導入すべき5つの理由を紹介しよう。

オススメの理由その1「アクセスコントロールが可能」

 ビジネスで資料をやりとりする際に気になるのがセキュリティーだ。極秘資料とまではいかなくても、提案段階の企画書や人事評価、見積書など、第三者に見られたくないデータは多い。そんな時に、Acrobat DCならPDFファイルにアクセス権を設定することができる。

 たとえば、文書をデータはAES方式で暗号化しておけば、開く際にパスワードを求められるようになるので、第三者には閲覧できなくなる。また、閲覧はできるが、印刷や編集、コピーなどの各操作を許可したり、禁止したりすることも可能。閲覧は誰でもできるが内容を流用することはできない、とか閲覧にはパスワードが必要だが、印刷も編集も行なえる、といった柔軟な運用ができるのだ。

 無料ソフトでもアクセス権限を設定できるものはあるが、きちんと動作しない可能性はある。その点、PDFの開発元であるAdobeの製品であれば信頼できるというわけだ。

PDFを作成する際に「編集を制限」を選んだり、ファイルのプロパティから「セキュリティ」タブを開く
暗号化をかけるとPDFを開くときにパスワードを求められるようになる

オススメの理由その2「柔軟な編集・活用が可能」

 PDFファイルはどの環境でもきっちり表示できる代わりに、再利用はしにくい、と誤解している人がいる。あえてセキュリティ設定を有効にしていないのであれば、編集も印刷も自由に行なえるのだ。

 たとえば、PDFファイルをOffice文書に変更できる。WordやExcel、PowerPointで資料を作り、完成したらPDFにすることは多い。しかし、そのファイルを受け取った人が内容を修正する場合、元ファイルをくださいと相手に言いにくいこともある。そんな時は、「PDFを書き出し」機能を利用して、ファイル形式を変換できるのだ。

 文字の誤字脱字の修正程度であれば、ほかのファイル形式に変換せず、そのまま編集することもできる。ツールの「PDFを編集」を開き、文字の修正や移動、削除などを行なえる。iPadのAcrobat Readerアプリでも、Acrobat DCのライセンスを持っていれば利用できるのも嬉しいところ。

PDFファイルを開き、ツールから「PDFを書き出し」をクリックし、ファイル形式を選択する
「PDFを編集」機能で、PDFの内容を直接編集することができる。画面はiPad
ほかのファイル形式に変更する必要がないので、手間がかからない

オススメの理由その3「紙資料をデジタル化」

 Officeのペーパーレス化をする際もPDFファイルが活躍する。契約書などはドキュメントスキャナーで取り込んだり、領収書や名刺などは「Adobe Scan」アプリで撮影するなど、目的に応じて使い分けられる。

 取り込んだときには画像データとなるが、Acrobat DCのOCR機能で、テキストを認識し、データを埋め込むことができる。見た目は変わらないが、キーワード検索ができるようになるのだ。

ツールから「PDFを作成」→「スキャナー」から紙資料をデジタル化できる
画像として取り込んだデータをOCR処理し、テキスト検索できるようにしてくれる
無料のスマホアプリも公開されており、手軽にデジタル化できる

オススメの理由その4「電子印鑑で承認フローを効率化」

 備品の購入や出張の申請など、社内で稟議書を回すことは多い。しかし、紙で印刷し、実際にハンコを押さなければならないのは非効率この上ない。そもそも、決裁者が出張に出ていたら、その時点で稟議フローが止まってしまう。そんな時は、Acrobat DCの機能でデジタル化すると便利だ。

 PDFで送られてきた稟議書を開き、「ツール」の「注釈」→「電子印鑑」から簡単に追加できる。操作したユーザーの名前や社名、日時が記録されるので、承認する側も簡単だ。自分の印鑑を撮影して取り込み、オリジナルの印影として登録することも可能。

 複数の決裁者がいる場合は、「注釈用に送信」機能を利用する。承認してほしい相手を指定し、Acrobat DCから直接承認を要求するメールを送信できるのだ。この場合は、ファイルを開くとすでに電子印鑑を押す画面が開くので、承認/非承認を選ぶだけ。そして、次の決裁者に送信すればいい。通常なら1週間かかっていたフローも数時間で済むようになるし、紙やインク代といったコストも削減できる。

 また、「署名用に送信」という電子サインを依頼する機能では、文書作成から署名の依頼・収集までを一貫してデジタル上で行なうことができ便利だ。

手持ちのハンコの印影を取り込み、電子印鑑として手軽に押印できる
承認フローを実行する機能も用意されている

オススメの理由その5「Document Cloudによる共有」

 Acrobat DCでは、Document Cloudというクラウドストレージサービスも利用できる。PDFファイルを保存し、PCだけでなく、スマホやタブレットからもアクセスできるのが特徴だ。それぞれのローカルにファイルを保存すると、バージョン管理が難しくなり、先祖返りが起きてしまうこともある。クラウドにあるなら、常に最新のファイルを操作できるのが気楽だ。

 また、ファイルを共有する際、ストレージ上のリンクを送信するだけでいいので、手間がかからない。通信量も抑えられるので、外出先でも大容量のファイルを相手に送ることができる。

マルチデバイスでクラウドストレージ上のPDFファイルにアクセスできる
Document Cloud上のファイルを共有できるURLを発行する
受け取った相手はブラウザー上でプレビューできるほか、ダウンロードすることも可能

 このほかにも、バージョンの違う2つの文書を比較して異なるポイントを抽出したり、電子署名による証明を利用したり、異なる種類をPDFに格納するなど、さまざまな便利機能を備えている。文書データをビジネスで管理するなら、PDFに関する統合環境であるAcrobat DCとDocument Cloudが便利だし信頼できるのでオススメだ。

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