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問合せ殺到のIoT課題解決キット「BL-02」 あえての"ダサさ"が求められたワケ

ビッグローブが見出したIoTビジネスでの商機

提供: ビッグローブ

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IoTデバイス「BL-02」でできること

 すでにBL-02は多くの企業で実証実験がスタートしている。5月に開催された展示会では、来場者から「これで何ができるのか」という問い合わせが殺到した。

 ビッグローブの法人事業本部でサービス企画を担当する羽田くらら氏によると、テスト開発のために貸し出している企業が20社程度、導入まで進んでいる企業が30社ほどあるという。

ビッグローブの法人事業本部でサービス企画を担当する羽田くらら氏

 「企業のみなさんからニーズが一番多いのは、従業者が身に着けての行動センシングをしたいというお話です。工場や倉庫、建築現場など、人が実際に動いている現場ですね。BL-02は防水防塵なので、タフな環境下でも使用できます」(羽田氏)

 工場などの行動センシングでは、人の動きを管理して効率化することに加えて、夜間など人が少ない時に、従業員が健康でいるかどうかを確認できるのがポイントだという。センサーから人が動いていないことがわかれば、トラブルがあったのかもしれないという判断ができ、対応できるというわけだ。

 このほかにも、NECはBL-02を利用して、多言語音声翻訳サービス用の小型端末として発売を開始。実際に小田急百貨店でインバウンド対応での実証実験を行っている。

多言語音声翻訳のイメージ

 また、パートナーとなっているマルティスープ社と連携では、GPSの届きにくい工場・倉庫・病院といった施設内での人・車両・モノなどの動きを可視化し、仕事の状況を浮かび上がらせるソリューションを提供している。活用の一端としては、位置情報を取ると同時に、端末画面に業務の指示を一斉送信して使う企業もあるという。

 「工場内での位置測位など、PDR(歩行者自律航法)についても今、マルティスープや産業技術総合研究所と一緒に知見を集めているところで、これから広がっていくと思っています」(羽田氏)

 BL-02ではセンシングから、受け取ったデータの送信までこれ1台でできる。それでいて一般的なスマホよりもコンパクトなサイズを実現。これらを利用することで、工場や倉庫だけでなく、医療や介護、旅館やホテル、サービス業まで、さまざまな業務での活用が期待できる。

 「我々も勉強しながらではありますが、実証実験を通してパートナーさんとの間でさまざまな知見が集まってきています。それらを元にしてある程度ベースパッケージみたいな形でご提供できればと考えています」(村上氏)

“弁当箱”のようなIoTキットができた理由

 そもそもAndroidを搭載しているなら、スマホでいいじゃないかという声もあるはずだ。だが、専用端末であることには意味がある。その1つが内蔵の機能。10軸センサーを内蔵しているスマホはほとんどなく、既存のモデルに導入すると高価になってしまう。

 製品の販売スパンに合わせなければならず、メーカー側に調達も左右されてしまう既存スマホは、実際にIoTビジネスのために導入してみると不都合も多い。

 工場や倉庫などはカメラの持ち込みが禁止されていることが多く、スマホは持ち込めないが、カメラが搭載されていないBL-02なら問題ない。同様に、勝手にユーザーとなる従業員がゲームやSNSアプリを入れられないのもポイントで、企業側が意図しない使い方によるトラブルも防げる。

 そもそも見た目がスマホではないこともメリットとなる。サービス業においては、従業員が遊んでいるとは思われないのも重要。あえて業務端末だとわかりやすいデザインを採用しているのだ。

 ビッグローブ社内では「弁当箱」というダサめな愛称で親しまれているBL-02だが、IoTビジネスが広がることで、気づかぬところで目にする機会が増えそうだ。

※BL-02の製造元は株式会社オプティムとなります。
(提供:ビッグローブ)

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