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問合せ殺到のIoT課題解決キット「BL-02」 あえての"ダサさ"が求められたワケ

ビッグローブが見出したIoTビジネスでの商機

提供: ビッグローブ

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企業と社会のIoT化への課題

ビッグローブで法人事業を担当する村上隆浩氏

 現在、とくに製造業や運輸・運送サービスを中心にIoTシステムの導入が進んでいる。だが一方で、どのようなIoTデバイスを利用すればいいのかわからない、コスト面で二の足を踏んでいる、という企業も多い。

 しかし、すでに多くの企業に対して労働者不足と外国人労働力の増加、ベテランの減少によるノウハウの喪失など、多くの課題が迫っている。これらはITの力で解決できることが多く、早急な解決が求められているが、なかなかそうはなっていないのが現実だ。その問題はなぜ起こるのだろうか。ビッグローブの村上氏は企業ニーズとのマッチングの問題を指摘する。

 「IoTデバイスを使えばさまざまな情報が取得できますが、まだそれを活かせていないのが現状です。たとえば、純粋なセンサーの専門家は工場の業務には精通していません。しかし、IoTデバイスを導入しようとすると、企業のニーズとマッチさせなければいけません。何らかの情報を受け、読み取れるセンサーを設置した場合、それをどのぐらいの頻度でとって、どのように集計して、さらに分析すれば工場の人が望むデータになるのか。そのような深い部分に至るコンサルティングまでできていないのが現状だと思っています」(村上氏)

 労働者不足に対応するために、企業はより少人数で効率的に生産性を向上できる仕組みを構築する必要がある。また、増加する外国人労働者に対応するためにもマニュアルなどの多言語対応や、ノウハウのデータ化などさまざまな取り組みが求められているのだ。

 製品や通信そのものが安価になってきたとはいえ、このようなIoT化には多くの課題が残っている。たとえば、何百種類もあるセンサーから最適なデバイスを選ぶことや、ゲートウェイとの相性を見極めることも難しい。また、データ通信方法の選択は運用コストにも直結する。

 データを取得するためのそれぞれの産業やビジネスに合わせたアルゴリズム開発にも、長い開発期間とコストがかかるため、なかなか踏み込めないという現実もある。投資してデータを収集しても、有効活用されないというのが問題となっている。

ビッグローブが手がけたIoTデバイス「BL-02」とは?

BL-02

 これらの課題をクリアするためにビッグローブが2018年4月に発表したのが新型のIoTデバイス「BL-02」だ。製品のポイントはAndroid搭載の汎用業務専用機であるということ。

 サイズはおよそ幅57.5×厚さ15.8×高さ93.9mmで、重さはおよそ102g。2.8インチQVGAディスプレーを搭載。業務用のIoTデバイスとしてさまざまな目的に使えるように、10軸センサー(加速度3軸、ジャイロセンサー3軸、地磁気センサー3軸、気圧センサー)など安価なスマホには搭載されていないセンサーを内蔵しており、より多くのデータが取得できる。

 「BL-01はさまざまな企業に実証実験していただきましたが、そこで多くの課題が見えてきました。たとえば、BL-01は元々スマートウォッチだったこともあり、バッテリー容量が少なかったので、丸一日使えませんでした。そこでBL-02ではバッテリー容量を2倍に増やし、1日の業務中ずっと使えるようにしました。データ通信ではNTTドコモとauのSIMが使えて、LTEに対応し、BIGLOBEモバイルの法人向けのさまざまなプランとあわせて高速通信が可能となっています」(村上氏)

 BL-02にはそのほかにも多くの特長がある。たとえばリモートからデバイスの再起動ができるような機能が用意されているため、遠隔地の工場などに機器を設置した場合でも操作が可能。また、セキュリティーを重視する場合、特定のWi-Fiにのみ接続させる設定もできる。その辺りは企業のニーズに合わせてプログラムを開発する仕組みとなっているという。

 「Raspberry PiなどでIoTデバイスを作ると、センサーを制御するためのドライバーから用意する必要があります。しかし、BL-02はAndroidベースなので基本的なドライバーは汎用的のものがありますし、ちょっとしたデータを取得する程度ならほんの数行のプログラムで実現できます。ソフトウェアやアプリの開発コストを大きく抑えられるのも特長です」(村上氏)

 このほか、細かい部分ではバッテリーを外し、常時電源接続した状態でも利用可能。また人が持って利用する場合のためにストラップホールも用意しており、首からぶら下げて持ち歩ける。

 OSにAndroidを採用しているため、汎用的に使えるのがBL-02のポイントだ。Androidは日本のみならず、世界中でさまざまな使い方をしているため、IoT化におけるノウハウが蓄積されている。何らかの実証実験を行いたいと考えたときに短期間かつ低コストで対応できる。

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