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仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 第41回

Excelベースの承認ワークフロー、メール自動送信など色々便利

ExcelにMicrosoft Flowがやってきた!

2018年08月22日 14時00分更新

文● 阿久津良和 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。

 Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回はExcelのアドオンとして登場した「Microsoft Flow for Excel」に注目する。

200を超えるコネクタで業務を自動化

 2018年7月、ExcelとMicrosoft Flowを連携させるMicrosoft Flow for Excelが利用可能になった。Flowはコネクタをつなげてビジネスワークフローを構築するサービスで、Office 365に含まれる機能だ。厳密に述べるとFlowは無償版や有償版があるため、Office 365に含まれるという表現は語弊があるものの、Office 365アプリ起動ツールにも並んでいるため、Office 365ファミリーに含めて構わないだろう)。Flowのコネクタは200種類以上用意されており、コネクタを使って実に様々なサービスを連携できるのが特徴だ。

1.リボンの<挿入>タブ→<ストア>と選択してOfficeアドインを呼び出し、「Flow」で検索すると現れるMicrosoft Flow for Excel。ご覧のとおり執筆時点ではプレビュー版となる

2.Microsoft Flow for Excel使用時は各データへのアクセス許可を承諾しなければならない

 さて、FlowとExcelが連係することで、「何ができるか」に関心を持たれると思うが、Microsoftは公式ブログで、メールの送信やSharePoint上のアイテム作成、上長への承認確認、Microsoft Teamsへの投稿、別のワークシートファイルへの反映、Twitterへの投稿など多数のユースケースを提案している。

3.Microsoft Flow for Excelインストール後は、<データ>タブの<Flow>ボタンをFlowパネルが現れる。ただし、ドキュメントをSharePoint OnlineまたはOneDrive for Businessに保存しなければならない

4.Flowで利用できるコネクタ群。筆者が数えたところ220のアプリやサービスと連携可能(Premium含む。2018年7月下旬時点)

 下図はワークシート上の行を利用してメールを送信するフローだが、ご覧のとおり大した労力を費やすことなく、自動DM送信システムが作成できた。キャプションで述べたように、Microsoftが用意したテンプレート「選択した行」は、テーブル化したExcel上のデータを部品としてコネクタに渡せるため、直感的にフローを作成できるだろう。

5.ここでは「選択した行」テンプレートを用いて、メールを送信するフローを作成する。利用するには、あらかじめ用意した住所録データをテーブル化しなければならない

6.最初にアクションを選択するが、LocationやDocument Library、Fileは既定で構わない。Tableは先ほど作成した「テーブル1」を指定し、アクションの追加に進む

7.アクションとして「Office 365 Outlook メールの送信」を選択し、宛先や件名、本文などを割り当てる。今回は省略するが、DMの場合は文章などを合わせて挿入すればよい

8.フローを保存したら、マイフローから作成したフローを実行し、<続行>→<フローの実行>と順にボタンをクリックする

9.このように正常に実行されたことを示すメッセージが現れればよい

10.こちらは筆者のメールアカウント。ご覧のとおりFlowで設定した内容が送られてきた

 既にExcelを利用するテンプレートはFlow上で公開されている。例えば「ExcelテーブルからDynamics AX Onlineの仕入れ先に行を移動する」といったデータコピーや、今回作成したフローのように「OneDrive for Businessの新しいファイルをExcelのメーリングリストにメールで送信する」など、ビジネスシーンで使えそうなものが多い。だが、企業によって業務ルールは異なるため、必ずしもそのまま使えないことも。自社独自のカスタマイズを必要とする場合は、Microsoft Flow for Excelを用いて自社用フローの作成にチャレンジして頂きたい。

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