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大リーガーの抗議で「審判のロボット化」議論が米野球界で再燃

2018年08月17日 11時26分更新

文● Erin Winick

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スポーツ界は何十年もの間、レフェリーや審判によるヒューマン・エラーと付き合ってきた。それはもう、ほとんど伝統のようなものと言っていいだろう。だが、ある選手は、試合をより正確に評価するテクノロジーを使うことで、ボール/ストライクを判定する審判をフィールドから追い出すつもりだ。

シカゴ・カブス(Chicago Cubs)の二塁手、ベン・ゾブリストである。野球の審判をソフトウェアに移行することの熱心なベブリストは8月14日、審判との口論をきっかけにメジャーリーグに変化を提唱した。

「だから我々には電子制御によるストライクゾーンが必要なんだ」

ゾブリスト、キャリア初の退場処分を受ける直前

そのコメントは、スポーツ界の自動化をめぐる積年の論争に再び火をつけた。

テレビで野球中継を見ていると、しばしば、投球がボールかストライクかを即時に示す審判のアクションが目に入る。しかし、人間の審判は今なお、自身の目だけを頼りに判定を下している。見る側も選手も次第に、テクノロジーが審判の役割を引き継ぐことを望むようになってきているのだ。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙のスポーツ欄のコラムニストであるジェイソン・ゲイは、次のように述べた。「不完全性が付随する人間味は、スポーツに不可欠な部分です。たとえ、試合運営者にとって高くつくミスがあったとしてもです。リプレイ検証には利点もありますが、同時に、退屈極まりない無駄な時間にもなってしまいます」。

プロテニスが野球の良い手本になるかもしれない。プロテニスは審判をクビにする代わりに、人間とソフトウェアが協力する手法を取り入れている。インとアウトの判定でいざこざがあった場合の最終決定は「ホークアイ(鷹の目)」プログラムに委ねる。ホークアイは迅速で正確だ。観客の反応もすぐに引き起こせる。野球が似たようなシステムを手に入れられれば、伝統主義者とテクノロジー熱狂者が、ダイヤモンドの上で調和的に共存できるかもしれない。

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