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石川温のPCスマホニュース解説 第7回

ユーザーが損して、キャリアが得する構図に見える:

スマホ「実質0円」禁止は逆効果だったのではないか

2018年08月13日 09時00分更新

文● 石川温

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業界活性化にも疑問がある

 そう考えると、キャッシュバックや実質0円端末で、キャリアが端末販売関連で赤字を出し、ユーザーに還元してくれていた方が、ユーザーにとってよっぽどメリットが大きかったように思う。また実質0円での販売があれば、機種変更が促され、新製品が売れるメーカーも喜び、キャリアショップもありがたいはずだ。

 機種変更が増えればそれだけ中古端末が増え、中古市場も活性化する。結果として「中古端末を買い格安SIMと組み合わせて使う」という、安価に賢く使いたい人の需要も満たせるようになるはずだ。

 キャッシュバックや0円販売をやめさせたことで、本当に、ユーザーの負担は下がり、業界が活性化したのか。改めて、検証する必要がありそうだ。


筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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