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サンコーのザ・焼き鳥マシーンは帰りに1杯が難しい地域こそありがたい

2018年08月04日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 いよいよ人類滅亡が見えてきた今年の夏。それでも幸運なことに、まだビールはうまい。そしてうまいビールさえあれば、目の前の世界がどうだろうと、我々は正気でいられる。写真は私のビールサーバー、サッポロビール北海道工場だ。ありがとう!

 我々は滅びるその寸前まで、黄金の泡立つ液体を醸し続けようとするだろう。そして、ビールがビールとしてあり続ける間は、あの串に刺さった香ばしいものを必要とする。そんな私には、いまサンコーの「ザ・焼き鳥マシーン」がある。

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 このマシーンは、いまひときわ輝いて見える。人類の儚さ、文明の脆さと表裏一体の輝きだ。ウェブの通販ページを開いた途端、そんな謎のポエム群が湧き上がり、知らないうちに支払いを済ませていたようだ。

 そして届いた。サンコーの箱は白い。

帰りに「焼き鳥で一杯」が難しい

 焼き鳥は「串打ち三年、焼き一生」と言われる職人の世界。マシーンがあったからと言って、素人がやってかなうものではない。焼き鳥は焼き鳥屋で食べるのが一番だと私も思う。

 しかし私の住んでいる北海道では「帰りに焼き鳥で一杯」の難しい地域がある。自動車通勤が基本だから、帰りに飲むなら代行を呼ぶしかないのだ。だが、毎度繰り返していたのでは、試される大地で試される預金残高の限られた人間にはつらい。私も、そんな難焼き鳥地域の住人である。

 自宅から徒歩圏内にある鳥っぽいものと言えば、セイコーマートの看板くらいだ。しかし、あれは不死鳥がモチーフだから死なないわけで、食うこともできない。食っても死なないからいいのもしれないが、どっちにしてもコンビニのロゴは食い物ではない。

 次善の策としては、焼き鳥屋さんのテイクアウトになるが、これは冷める。なにしろ北海道は気温が低い。家までの道のりも長い。冷める。冷めたら焼き鳥の序列もグンと落ちる。

 結局は、温め直すならなんだって良いということになり、堕落した底辺の焼き鳥人生を歩み始めるのだ。たとえばスーパーのお惣菜コーナーで売られている、タレなのか乾燥防止用のシール材なのかよくわからない粘液に包まれた串刺しのゴムのようなもの。あれを焼き鳥と信じて貪るようになったらもうおしまいだ。

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