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「健全化」に舵を切るツイッター、学術研究者と指標を共同開発へ

2018年08月01日 06時11分更新

文● Rachel Metz

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ツイッターは学術研究者に対して、プラットフォーム上での会話の「健全性」を測定する指標の作成を求めている。会話の健全性に関する指標があれば、ツイートはより配慮を持った内容となり、少なくとも人種差別やネット荒らしを減らせるはずだ。

ツイッターは7月30日、エンジニアがツイートを分析・改善するために利用できる測定指標の開発を目指す、会話の健全性向上プロジェクトを主導する2つの学術研究団体を選定したと発表した2018年3月に開始した公募の結果である。今回の公募で、ツイッターは230件以上の提案を受けていたようだ。

1つ目の団体は、ドイツ、米国、イタリアの大学の研究チームだ。チームは「エコー・チェンバー」(同じ意見の人々とのコミュニケーションを繰り返すこと)や「無作法な会話」の問題を調査し、ツイッター利用者がソーシャル・ネットワーク上で多様な視点にどのくらい接しているのかを測定する指標を開発する。同時に、単なる下品な会話などの「無礼な会話」と、人種差別的な言葉などの「看過できない会話」の違いを見分けることができるアルゴリズムを開発する予定だ。

2つ目の団体は、英国やオランダの大学の研究チームだ。利用者をさまざまな視点や背景を持った他者に触れさせることで、いかに偏見や差別を減らせることができるかを調査する。

ツイッターは米国拠点の企業であり、利用者が最も多いのは米国だが、その数は全体の約5分の1に過ぎない。そのため、世界レベルでツイッターの利用者に何が起きているのかをよく知りたければ、ツイッターが米国外の研究者を採用することは至極もっともなことなのである。

長期的な効果が見えてくるのはこれからだが、MITテクノロジーレビューが2018年3月に米国内外で学術研究者に話を聞いたところでは、わずか2、3個の指標で会話の健全性を測定することは難しいだろうとのことだった。

ただし、ツイッターは問題を深刻に捉えており、最近では改善を目指すことを示すための別の取り組みとして、 何千万件もの偽アカウントを一掃している

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