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アスキー・ジャンク部リターンズ 第234回

ケイジャンケイジャンすげーじゃん:

松屋「ケイジャンチキン定食」 味も香りもHOT! HOT!

2018年07月24日 17時00分更新

文● モーダル小嶋/ASCII

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「ケイジャンチキン定食」
松屋
7月24日発売
価格650円(肉が2倍でライス大盛または特盛が無料「W定食」950円)
https://www.matsuyafoods.co.jp/2018/07/19/4442/

松屋の夏メニューは“ケイジャン”

 松屋フーズは「ケイジャンチキン定食」を7月24日から全国の「松屋」店舗で発売する(一部店舗を除く)。価格は並盛650円(ライス・みそ汁・生野菜付き)、肉が2倍でライス大盛または特盛が無料の「W定食」が950円。

 いちおう、ケイジャン(Cajun)について簡単に解説しよう。祖先が北米東部のアカディア地方に入植したフランス人の直系で、イギリス人によってアカディアから追放され(18世紀半ばに英仏が戦いイギリスが勝利したフレンチ・インディアン戦争の影響もある)、最終的にアメリカ合衆国ルイジアナ州南部を中心に永住した人々のことを指す。「Acadian」(アカディア人)が訛って、「Cajun」という呼び名になったそうだ。

 ルイジアナの南部は魚や動物、果物や野菜に恵まれており、ケイジャンたちは地元で手に入る材料で料理を作ることを好んだそうな。同じくルイジアナ州のニューオリンズを中心に発展した、クレオール料理と似ている要素も多い。タマネギ、セロリ、ピーマンを炒めたものをベースにする、ジャンバラヤやガンボなど名物料理を共有している点などで共通項があるものの、やはり違いもある。

 ざっくり言うと、アカディア人の料理(当時の田舎風フランス料理)が自給自足の環境で素朴で辛い味付けのケイジャン料理に発展したのに対し、クレオール料理は富裕階級の中で洗練された、古典的なヨーロッパ料理の影響が強い(たとえばイタリア料理やフランス料理の技法が色濃い)部分で異なる。

 たとえばジャンバラヤの場合、ケイジャン料理ではトマトを入れないのに対し、クレオール料理ではトマトベースの味付けになる。また、ザリガニやアリゲーターなど、まさに「地元」の食材を使うのもケイジャン料理の特徴だ。

 だいぶ前置きが長くなってしまった。松屋のケイジャンチキン定食は、鉄板で焼き上げた厚切りチキンの上に、スパイシーソースを絡めたキャベツや玉ねぎなどの野菜を盛り付けたメニュー。ソースには、チリパウダーやブラックペッパーなど12種類の香辛料を使用しているそう。キャベツは、嬬恋産キャベツを100%使用している(山口県、九州地方、北海道の店舗では日本国内の各産地で採れた「国産キャベツ」を使用)。

松屋のトレイのサイズのせいで、きれいに皿を並べようとすると齟齬をきたす。うまく並べようとするとはみ出るので、こんなふうに微妙なスペースができてしまう……(筆者の好みでポテトサラダを追加した)

 生野菜はプラス40円でポテトサラダに変更可能。また発売を記念して、ケイジャンチキン定食を注文すると、ライスを無料で大盛に変更できるキャンペーンも実施(8月7日10時まで)。

味も香りもしっかり濃い!
ガンガンご飯を食べたい人向け

 ご飯・みそ汁・生野菜は他のメニューとまったくおなじなので、ケイジャンチキンの味わいがすべてを決めるといっても過言ではない。筆者はケイジャン料理に詳しくないので「専門的な味」「本場のケイジャン料理に近い/遠い」という視点では安易にコメントできないが、一口食べて思うのは典型的な“松屋のおかず”である、という点だ。

 すなわち、味はシンプルで濃い。玉ねぎとニンニクを効かせて匂いはしっかり。チリパウダーやブラックペッパーなどの辛さは強い。複雑な味わいというよりかは、香辛料が舌の上でガツンと来る、そんなスパイシーさといえる。キャベツやニンジンにはあまり火を入れず、食感を残している。チキンもごろっとしたサイズ感があり、歯ごたえがある。辛めの味付けとの相性は悪くない。

ケイジャンチキンにかかっているソースの味は濃い

チキンそのものは淡白な味わいなので、濃い味付けのソースが絡むとよい感じだ

 しかし、生野菜はともかく、みそ汁とケイジャンチキンはアンバランスである。別にあってほしくはないとは言わないけれども、少なくとも相性は「?」といったところ。このあたりは、たとえカレーであっても頑なにみそ汁を付けてくる松屋の意地が垣間見える。ここで意地を見せてどうするんだという気もするけれど。

ケイジャンチキンにも当たり前のようにみそ汁を付ける松屋

 味の濃さだけでなく、香辛料の香りがかなり効いているので、これ単体で食べるとなれば「濃すぎるかも」となるだろう。ただ、白いご飯のおかずとしては申し分なし。ニンニクの匂いがやや強めであること、ピリッとした辛さ(唐辛子のそれよりかはブラックペッパーが効いている)があることが苦手でなければ、ガツガツ食べられる。

ご飯がすすむ観点から見れば、合格のメニュー

 少しばかり単調な味わいといえばそうかもしれないが、650円にしてそこそこのボリュームで、味も香りもしっかり濃いめの「ご飯がすすむ味」に仕上げたのはさすが。HOTな夏向きのメニューとしてオススメしたい。ケイジャン料理好きな人の感想も聞いてみたいところだ。


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