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CDをデータ化する社長の心得

2018年07月23日 21時00分更新

文● ラモス/ASCII

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 米国のレコーディング産業協会の最新データによると、 2017年にデジタルメディアの利用率が25%になった一方で、CDなどの物理メディアは4%減少したという。

 ReadyToPlayは、2004年に米国カリフォルニア州のパロアルトに設立。CD上のデータをPCや携帯再生機器が使えるようにイメージファイルや、使いやすいデータの形にして取り込む「リッピング」やデジタル化を実施している。

 近年の音楽メディアの変容はReadyToPlayの収入に影響を与えており、利用率も利益率も高い状態を維持している。具体的には、月に2万5000〜3万枚のCDを一般の人やエルトン・ジョン、ロッド・スチュワート、デイヴ・マシューズ、 シンディ・ローパー、クリス・アイザックなどのポップスターにリッピングサービスを実施。音楽ファイルのデジタル化は、通常CD1枚で1.30ドル。通常「lossless」形式での圧縮が使われるが、「lossy」と呼ばれるMP3のような音楽ファイル形式も利用している。

 ReadyToPlayの社長であるTedesco氏は「losslessフォーマットを一般的に採用していますが、これは大量のデータ容量を消費します。1人のお客様の平均枚数は1000枚程度となりますので、このCDをリッピングするには1回に350GBから400GBのデータ量となります」と語っている。

 ReadyToPlayはすべてのデータを保護するために、最近12TB Seagate IronWolf Proハードドライブ8台を搭載した、Synologyのネットワーク接続ストレージ(NAS)システムを実装。IronWolf Proは、中規模企業(SMB)やクリエイティブプロフェッショナル向けのファイル共有、リモートアクセス、バックアップ用のマルチドライブNASシステムのニーズを満たすために特別に設計している。12TB IronWolf Proは、300TB/年のワークロード・レート(250MB/秒のデータ転送速度)を保証。データ破損、ユーザー・エラー、機械的損傷、火災および洪水を含む2年間のレスキュー・データ・リカバリ・サービスを提供する。

 Tedesco氏は「いつでも約60TBのデータを利用して、顧客のバックアップや複雑なCDリップができるようにしています。NASシステムの性能、セキュリティー、信頼性には驚きました。 データへのアクセスはすばやく簡単です。いつでも好きなときにアクセスすることができます」とコメントしている。

 SeagateのIronWolf NAS HDDのグローバル製品マーケティングマネージャーであるJason Bonoan氏は「ReadyToPlayのようなビジネスを進める方々は、このドライブが大量の負荷を処理するために設計されたことを知ると、とても安心していただけます。NASシステムでIronWolf Proを使用すると、SMBは24時間体制でデータにアクセスできるからです」と述べている。

 Synology NASシステムに加えて、Tedescoは各クライアントのリッピングされた音楽ファイルを1TB Seagate Backup Plus Slimポータブルハードドライブに保存。USBダイレクトアタッチドストレージとして推奨されているドライブだという。

 Tedesco氏は会社の存続を保つには、職人の技量的なものが重要と考えており、ビジネス運用には細心の注意を払っているという。同社では、数百枚のCDの取り込みはロボットシステムを使用しているが、チェックには品質と正確性を確認するために手作業で実施しているとのこと。

 Tedesco氏は、ReadyToPlayで14年以上の活動を続けてきており、ロックとクラシック、R&B、ジャズなどのさまざまな種類の音楽コレクションを見てきた。 もっとも人気のあるCDは 『ABBA Gold』 、続いて『Billy Joel:Greatest Hits』、もっとも人気のあるジャンルはクリスマス音楽だという。彼は「これはマストバイの最たるものであり、あらゆる方々に毎年何度も何度も買われているようです」と述べている。

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