Samsungが新規格のNF1対応SSDなどを披露
SSDとHDDの価格差が逆転する可能性がある
IHS Markitの講演
調査会社のIHSは、SSDの市場展望について講演した。ビッグデータを保存するためストレージの需要は順調に拡大していき、電力消費と高速化の要求からSSDへの要求はさらに高まるとIHSは予想している。
NANDフラッシュは、TLCの信頼性が改善されてきたことから、TLCの採用が進んでいるが、今後はさらに多値のQLC(Quad Level Cell)の採用も始まると見ている。
また、しばらくはNANDの価格は安定するとみているが、米中貿易摩擦には注意が必要とのこと。そして2020年頃からは、中国がNANDの供給能力を拡大させ、需給バランスが崩れることが懸念されている。
映像制作現場においてSSDの重要性が増してきた
玄光社の講演
月刊ビデオSALONの一柳編集長が映像業界でのSSDの重要性を解説した。映像業界では4K/60pや4K RAWを撮影できる入手可能なカメラが増えてきたため記憶容量が膨大になり、カードやSSDの高容量化、高速化が求められるようになってきたという(4KよりもRAWのほうが容量と速度が切実)。
なぜSSDが必要なのかというと、カメラにスロットインするカードでは容量が足りない、カードからデータをバックアップしたい、編集時に高速なストレージがどうしても必要、という事情がある。
たとえば、放送局の取材カメラの定番モデルになるソニーのPXW-Z280は、SxS PRO+カードにしか保存できない。これは256GBで実売20万円、128GBで11万円弱と非常に高額。キヤノンEOS C200は、4K Cinema RAW Lightで記録する場合、128GBのCFast 2.0カードにわずか15分しか保存できないそうだ。
最近は、2.5インチのストレージをカメラにスロットインしたり、外付けSSDに直接記録できる機器 も出てきた。ところがHDDでは書き込みが間に合わないことがあるため、やはりSSDが必要となる。
収録データのパックアップもSSDなら高速に転送できるうえ、テープと同じ感覚で管理したいという映像業界のニーズにもマッチするそうだ。
このように、映像業界ではSSDの重要性が増しており、低価格化が進めば記録用としても保存用としても爆発的に普及することになる。