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加熱式たばこ「互換機」の波紋、商標権や健康リスクに課題

2018年07月11日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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加熱式たばこデバイス「jouz」
新発売されるjouz。IQOSの純正デバイスに比べて連続喫煙が可能などの特徴を持つ Photo by Akira Yamamoto

 急速に普及する加熱式たばこ市場を狙うのは、たばこメーカーだけではない。

 ジョウズ・ジャパンは7月、加熱式たばこデバイス「jouz」を発売する(税込み6680円から)。同社はサードパーティーと呼ばれる会社で、たばこ自体は販売せず、フィリップ・モリスが販売するIQOSのヒートスティックに対応する。

 加熱式たばこは、たばこ部分とデバイスが分かれており、サードパーティーが販売するデバイス(互換機)は、すでに多く存在。非純正品のため、“安かろう悪かろう”という印象が根強いが、jouzは、モバイルバッテリーなどで知名度の高い中国・アンカーグループが技術的に支援するとあって、ユーザーの期待は大きい。

 だが、加熱式たばこの互換機ビジネスには、多くの問題もある。

 一つは、商標権や特許権といった知的財産権の問題だ。市場に出回る互換機でメーカーの認証を得た例はない。デザインや形状などで、権利侵害の恐れのある“グレーゾーン”の商品もある。

 実際、JTは知的財産権に抵触する製品に対し、販売サイトへの削除要請のほか、製造企業への警告などの対応をすでに行っている。

 健康リスクの観点からも問題がある。加熱式たばこは、紙巻きたばこに比べて有害物質が少ないという調査をたばこメーカーは発表しているが、それらは全て純正品で実験されたもの。条件が異なる互換機でどのような結果になるかは不明だ。

 互換機の市場自体は、まだ「ごく小さい」(メーカー関係者)ため、今は“お目こぼし”を受けている状態だ。たばこメーカーは、一様に純正品の使用を推奨しているが、互換機の問題によって発展途上の加熱式たばこ市場の風評悪化につながる懸念もあり、より厳格な対応が必要だという声もある。

外部提携も選択肢

 一方で、サードパーティー側もたばこメーカーに一石を投じる。

 そもそも、加熱式たばこの普及で、メーカーは売り切り型のビジネスから、デバイスのアップデートや顧客データを活用したマーケティングなど、電機メーカーとしての戦いが必要になってきている。市場の変化も早く、弱点である電機分野では特に、開発も含めた外部提携は自然な流れだ。

 電機分野でのサードパーティー製品は一般的。例えば、米アップルもMFiと呼ばれる認証制度で、ケーブルなど互換性のある付属品の枠組みをつくっている。

 互換機が広がれば、たばこ自体の売り上げ拡大なども図れる。アンカー・ジャパンの井戸義経代表は、「たばこメーカーと競合するのではなく、jouzで市場全体を広げたい」と言い、メーカーとの協業についても前向きな姿勢だ。

 メーカー側にも、外部リソースをうまく活用する冷静な戦略が必要かもしれない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本 輝)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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