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業界人の《ことば》から第301回

目標未達の企業が多い中、なぜダイキンの業績は好調なのか

2018年07月06日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

「2010年度以降は8期連続での増収増益を達成。5期連続で過去最高の業績を更新中。そして、ありたい姿として掲げた売上高3兆円もあきらめていない」(ダイキン工業の十河政則社長兼CEO)

 ダイキン工業の業績が好調だ。

 2017年度実績は、売上高が前年比12.1%増の2兆2906億円、営業利益は10.0%増の2542億円。営業利益率は11.1%となっている。電機大手各社が、1桁台の営業利益率に留まるなか、2桁台の営業利益率を維持している点は特筆されよう。

 そして「2010年度以降は8期連続での増収増益を達成しており、5期連続で過去最高の業績を更新中である」(ダイキン工業の十河政則社長兼CEO)というように、右肩あがりの業績を続けている。

 とくに注目しておきたいのは、中期経営計画で掲げた目標を達成し続けている点だ。

 同社では1996年以降、5ヵ年の中期経営計画「FUSION」に取り組んできた。現在取り組んでいるは、2016年度から2020年度までの「FUSION20」である。

 これまでのFUSIONでは3年先の数値目標を掲げることが慣例となっており、FUSION20ではこれまで2018年度の計画を明らかにしていた。新年度を迎えたことで、先頃、最終年度の2020年度の目標を明らかにしたところだ。

 「定量的な目標については、3年先を明確に設定し、これをきっちりと達成していくことにこだわってきた。過去、FUSIONで掲げた定量的な目標は、リーマンショック時を除いて、すべて達成している。この繰り返しによって、ステークホルダーからの信頼を勝ち得てきた」とダイキン工業の十河社長兼CEOは胸を張る。

 中期経営計画の未達が常態化する企業が多いなか、数値目標の達成にこだわり続けてきた同社の姿勢を証明した格好だ。

 だが、数値だけの達成がFUSIONの狙いではない。

 「FUSIONは短期の収益力と長期の成長性を両立し、このぎりぎりの接点を考えて取り組んできたものである。市場変化にあわせて、短期の収益を徹底的に重視したり、長期の成長を優先するなど柔軟な判断で経営を進めてきた。経営環境や市場動向、ライバル動向が当社の事業に大きな影響を与えると判断したときには、変化を先取りして重点戦略として定めたものであっても見直していく。また、既存事業を徹底して伸ばす一方、新分野に挑戦し、事業構造を変革する取り組み両立していくことになる」と、市場の変化に対応する柔軟な姿勢も特徴だ。

 新たに発表した戦略経営計画「FUSION20」の後半計画は、2020年度に売上高2兆9000億円、営業利益3480億円、営業利益率12%を目標に掲げている。

 十河社長兼CEOは、「ありたい姿」として売上高3兆円を掲げており、それに比べると、2兆9000億円という数字は見劣りがするものになる。

 だが、十河社長兼CEOは「3兆円という目標はあきらめていない。まずは2兆9000億円を確実に達成し、その上で3兆円に挑戦していきたい」と意欲をみせる。

 そして「グローバルエクセレントカンパニーの営業利益率の水準はもう少し高いところにある。それを目指すことも視野に入れたい」と視点をさらに上に掲げている考えも示した。

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