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仮想通貨“認定”6社に処分、「反社取引」黙認の呆れた実態も

2018年07月04日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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金融庁は仮想通貨交換業者6社に対して業務改善命令を発令
仮想通貨交換業者は、新しい業界団体を設立して信頼回復に取り組んできたが、今回の一斉処分がさらなる業界不信を招くことになりそうだ Photo by Takahiro Tanoue

 看板に偽りあり──。そんな非常事態が仮想通貨業界で起きている。

 6月22日、マネーロンダリング(資金洗浄)対策が不十分などの理由で、金融庁は仮想通貨交換業者6社に対して業務改善命令を発令した。問題なのは、いずれも金融庁の審査を通過した“認定済み”業者であったことだ。

 今回の処分は、金融庁に対して事実と異なる管理態勢を報告していた、業界最大手のビットフライヤーにも下された。他にも、反社会勢力だと気付いていたにもかかわらず、しばらく取引を停止しなかったあきれた業者もいたという。

 昨年来、仮想通貨市場は予想外の広がりを見せてきた。そこに冷や水を浴びせたのが、今年1月、580億円もの仮想通貨を不正流出させたコインチェックだ。

 金融庁の認可を受けていない「みなし業者」であり、セキュリティー面に不備を抱えながらも業容拡大に走ったことが、不正流出の要因だった。

 さらに今回、登録業者ですらも多数の不備が発覚。目先の利益に目がくらみ、脇を固めることができていなかったという甘さが再び浮き彫りとなったのだ。

 ましてやコインチェック事件で失った信頼の回復を目指し、新たな業界団体が立ち上がったばかり。そのタイミングで団体の中核業者に行政処分が下されたため、直後の25日、行政処分を受けた交換業者2社のトップが新団体の副会長辞任を余儀なくされている。

苦悩するコインチェック

 今回の一斉処分により、業界不信の引き金になったコインチェックにも動揺が走った。

 というのも不正流出の発覚後、同社はインターネット証券大手のマネックスグループの完全子会社となり、取引システムを再構築して「6月末に登録を受ける最終段階に進んでいた」(コインチェック関係者)タイミングだったからだ。

 事実、ある同社関係者は「(一斉処分が出た22日の)直前の週にも金融庁の検査官が来たが、登録に向けた最終確認だったと認識していた」と明かす。

 だが、一斉処分の直後であり、金融庁も新たな登録の可否には慎重を期さざるを得まい。

 本稿を執筆している6月28日時点では未発表だが、もし近々登録を認められれば、信頼回復の象徴ともいえる“船出”の時期が一斉処分と重なることになる。

 それ故、「金融庁が登録済みの交換業者に鉄拳制裁してしまっては、登録を認められても世間の反応は厳しいものになるだろう」(同)と苦悩しているわけだ。

 コインチェックの再登板を目前に控え、足元では主要な仮想通貨の価格が各社とも今年度最低水準で推移。離れつつある世間の関心を取り戻すには、業界横断的な取引ルールを議論する前に、まずは個々の交換業者が自らの襟を正すほかない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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