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「avenue jam」特別対談第24回

対談・Planetway CEO 平尾憲映× 九州大学 SBRC エグゼクティブ・ディレクター岡田昌治 第3回

クールジャパンで次のルネッサンスを起こすんだ

2018年07月03日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)編集●ASCII 写真●fururie(studio sera mosso.)

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 情報国家エストニアの技術をコアにもつ、日本のテクノロジーベンチャー・プラネットウェイ。同社代表の平尾憲映CEOは業界の有力者にも太いパイプをもっている。九州大学ユヌス&椎木ソーシャルビジネス研究センター 岡田昌治エグゼクティブディレクターもそのひとりだ。岡田氏はノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス博士とソーシャルビジネスを推進するための国内外のプロジェクトを担当してきた。事業を通じて社会課題を解決するソーシャルビジネスは、プラネットウェイが掲げる「世界を変える」ビジョンとおなじ方向をめざしているという。岡田氏は平尾代表そしてプラネットウェイのどこを買ったのか。ふたりの対談を通じてあきらかにする。

Speaker:
プラネットウェイ 代表取締役CEO
平尾憲映

1983年生まれ。エンタメ、半導体、IoT分野で3度の起業と1度の会社清算を経験する。学生時代、米国にて宇宙工学、有機化学、マーケティングと多岐にわたる領域を学び、学生ベンチャーとしてハリウッド映画および家庭用ゲーム機向けコンテンツ制作会社の創業に従事。在学時に共同執筆したマーケィングペーパーを国際学会で発表。会社員時代には情報通信、ハードウェアなどの業界で数々の事業開発やデータ解析事業などに従事。

九州大学 ソーシャルビジネス研究センター エグゼクティブ・ディレクター
岡田昌治

東京大学法学部卒業後、79年電電公社に入社。NTTグループ、特に米国子会社のNTTアメリカ(NY)、インターネット・ビジネスのNTTーXなどにおいて国際法務を中心に幅広くNTTの国際ビジネスを担当。ワシントン大学(シアトル)経営学修士号(85)・ニューヨーク州弁護士資格(93)取得。2001年NTT退職後、2002年10月より九州大学法科大学院にて「契約実務」、「インターネットと法」、「国際企業法務」等の講座を担当するとともに、知的財産本部において産学官連携の推進に携わる。2008年より、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス博士とソーシャル・ビジネス推進のための国内外のプロジェクトを担当する。2015年4月より現職。

ソーシャルビジネスの考えは江戸時代の日本人の考えと同じ

岡田 正直、平尾くんから話を聞く前は「ここもIPOが目当てなのかな」と思って聞いていたんですが、話を聞いてみるとソーシャルだった。だんだんとソーシャルビジネスの世界に近いなと感じてきたんですよ。オープンイノベーションにしても「誰かのためにやりたい」という気持ちで入っているわけでしょう。

平尾 それはぼくも感じていました。(ソーシャルビジネスの基点である)バングラデシュ・日本・エストニアの3ヵ国で、インパクトのある事業をはじめたいですね。

岡田 これまでのの技術開発は、技術のための技術開発なんですよね。「カラーテレビを作る技術があるからカラーテレビを普及させよう」という。ソーシャルビジネス における技術開発は、そうではなく、社会問題を解決するための技術を作って普及させようというものです。平尾くんがやろうとしているのはインターネットの安全性という課題を解決し、それを広く社会問題の解決のために利用しようということでしょう。

平尾 ホワイトハッカーの育成によって継続的にセキュリティー技術を開発できる人間をつくることも同じ考えですよね。ホワイトハッカー級のプログラマーは、オープンイノベーションにも、ファンデーションにも行けます。デファクト(規格)をつくる方に行ってもいいし、起業家になってもいい。理想は技術開発の最強軍団を作り、AIと台頭に渡りあえる技術を持つことです。

岡田 インターネットが世界のためになるという気持ちをもった人がインフラ構築に関わることが大事ですよね。現実世界とインターネット世界の相互空間を考えられる人が。この現実世界のものでまだインターネットに吸収されていないものがあります。それは善人とセキュリティー。その2つが入ることで新しい世界にもなりうる可能性がある。

平尾 この先、世界は3つに分かれていくと思うんですよ。現実世界、デジタル化した世界、そして宇宙。分かれた世界を自由に選べるようになる。人類史上かつてないほどの変化が起きて、日常が180度変わってしまう。それをぼくらは15~16年以内に起こしたいんですよ。岡田さんなどと組んでやっていけると10年でできるかもしれない。

岡田 AIにしても技術としてはただの技術であって、それを何のために使うかが大事ですからね。インターネットの世界も結局は人間。人間がどういうふうに変わるかを考えないといけない。たとえばバングラディシュから外国へ出稼ぎで働いているタクシー運転手は、銀行口座が開けず送金に困っている。そういうときインターネットでセキュアな取引ができれば助かるでしょうね。

平尾 以前、世界最大手コンサルファームの社長にピッチをしたことがあるんですね。そのとき言われたのは「これなら中国共産圏の中にいるアリババなどに対抗できる」。中国は1つの企業がレギュレーションも含めてすべてをやってしまう。ぼくらがやっている個人の意志とは真逆で、情報を強奪してしまう。個人に主権を移そうと考えているぼくらの姿が「打倒アリババ」と映ったみたいで、目の色が変わっていました。

岡田 中国の話がありましたけど、ソーシャルビジネスの話はどこで講演しても評価されるんですよ。ニューヨークではスタンディングオベーション。モスクワで話しても、すばらしいと言われる。これはソーシャルビジネスの立ち位置が中立的だからです。プラネットウェイでやっているのも中立ですよね。やろうとしていることはある意味、新しいルネッサンス。前のルネッサンスは人間復興を旨にキリスト教という重しを開けてしまった。自由と平等という矛盾するものを内蔵していたパンドラの箱を開けてしまい、かたや自由を追求した資本主義、かたや平等を追求した社会主義に分かれた。それがどちらもポシャってしまい、それでも、世界を牛耳る大金持ちが出てきた中、自由と平等をいかに調和していくか。

平尾 言葉はちがいますが、めざしているところは同じだと感じます。

岡田 ソーシャルビジネスの考えはもともと江戸時代に日本人が考えていたことと同じです。三方よしとか、道徳なき経済は犯罪であるといった考えが。それは日本人がつい最近までもっていた生き方であり考え方だ。それがいつのまにかアメリカンスタンダード、マネーマネーのビジネスに、日本のトップ5%以下の大企業がなじんでしまった。ふたたび日本の考え方で、無私、利他のソーシャルベースのビジネスにしないといけない。それがクールジャパンですよ。プラネットウェイの名前にかけて言えば、地球というプラネットが大きな宇宙の孤島になる。その孤島で地球人たちが仲良く生き延びなければならない、そういう考えを、自信をもって世界に発信しないといけないと思いますね。まさにプラネットウェイです。

(了)

(提供:プラネットウェイ)

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