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「avenue jam」特別対談第22回

対談・Planetway CEO 平尾憲映× 九州大学 SBRC エグゼクティブ・ディレクター岡田昌治 第1回

インターネットは無法地帯

2018年06月19日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)編集●ASCII 写真●fururie(studio sera mosso.)

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 情報国家エストニアの技術をコアにもつ、日本のテクノロジーベンチャー・プラネットウェイ。同社代表の平尾憲映CEOは業界の有力者にも太いパイプをもっている。九州大学ユヌス&椎木ソーシャルビジネス研究センター 岡田昌治エグゼクティブディレクターもそのひとりだ。岡田氏はノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス博士とソーシャルビジネスを推進するための国内外のプロジェクトを担当してきた。事業を通じて社会課題を解決するソーシャルビジネスは、プラネットウェイが掲げる「世界を変える」ビジョンとおなじ方向をめざしているという。岡田氏は平尾代表そしてプラネットウェイのどこを買ったのか。ふたりの対談を通じてあきらかにする。

Speaker:
プラネットウェイ 代表取締役CEO
平尾憲映

1983年生まれ。エンタメ、半導体、IoT分野で3度の起業と1度の会社清算を経験する。学生時代、米国にて宇宙工学、有機化学、マーケティングと多岐にわたる領域を学び、学生ベンチャーとしてハリウッド映画および家庭用ゲーム機向けコンテンツ制作会社の創業に従事。在学時に共同執筆したマーケィングペーパーを国際学会で発表。会社員時代には情報通信、ハードウェアなどの業界で数々の事業開発やデータ解析事業などに従事。

九州大学 ソーシャルビジネス研究センター エグゼクティブ・ディレクター
岡田昌治

東京大学法学部卒業後、79年電電公社に入社。NTTグループ、特に米国子会社のNTTアメリカ(NY)、インターネット・ビジネスのNTTーXなどにおいて国際法務を中心に幅広くNTTの国際ビジネスを担当。ワシントン大学(シアトル)経営学修士号(85)・ニューヨーク州弁護士資格(93)取得。2001年NTT退職後、2002年10月より九州大学法科大学院にて「契約実務」、「インターネットと法」、「国際企業法務」等の講座を担当するとともに、知的財産本部において産学官連携の推進に携わる。2008年より、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス博士とソーシャル・ビジネス推進のための国内外のプロジェクトを担当する。2015年4月より現職。

世界で起きていることはすべてミニスカート

平尾 ぼくはつねづね「インターネットの次」を作るんだと言っていて、話が合う人が少ないんですが、岡田先生はすぐに可能性を理解してくれましたね。

岡田 インターネットとの関わりはもともとインターネットビジネスを扱うNTT-Xでやっていた分野だったんですよね。当時からインターネットは暗黒世界というか、法律もルールもない世界だったので、普及したときにどうなるかという危機感をもっていました。平尾くんに「インターネットの世界をより現実世界に近づける」要するに誰が何をしているかがちゃんと見えるような世界にするんだという話を聞き、これはインターネットの夜明けがきたなと感じたのが最初でした。

平尾 岡田先生は「暗黒時代を変えるために、情報の流れを見える化して、どこから情報が出ているかを担保するのが大事だ」とパッと返してくれた。もっと話したいと思い、岡田先生からソーシャルビジネスについて伺って感じたのは、ぼくらの技術を組み合わせることでより具体化していくだろうと。ソーシャルビジネスという箱が用意されていて、そこに必要な大砲の弾がそろったような印象を受けました。

岡田 ビル・ゲイツによれば1994年がインターネット元年。ただ、コンピューターもミサイルの弾道計算をするために必要だった軍事用大型計算技術が基になったし、インターネットも、戦時中に情報流通を確保するためのネットワークを基本に商用化したものです。どちらも技術開発の基点が軍事というよろしくない基点から発展した。その結果、今のような世界になってしまいました。

平尾 責任所在があいまいになってしまう世界ですね。

岡田 一方で、裸足で歩いているような途上国の人々もスマホやケータイを使えるような世の中ができあがりました。子どもたちにスマホをもたせれば数年後、英語や日本語がペラペラになり、百科事典級の知識が得られるような時代に。これからはインターネット革命とソーシャルビジネス革命が合わさってくる。インターネットはまだ両刃の剣で暗黒部分が強いですが、平尾くんの技術が入ると、インターネットの世界が社会の問題を解決するツールとして使えるようになるはずだと思います。

平尾 自分自身が変えようとしている世界のことを「スマートキャピタリズム」と言いたいなと。いま資本主義社会は限界に来ています。資本主義は米国主体企業がつくりだしたストリームだと思いますが、アメリカに負けた日本と、ソ連に負けたエストニアが手を組み、アメリカが作った資本主義をぶち壊そうとしているのがプラネットウェイなんです。

岡田 ぼくは世界で起きていることはすべてスカートだと思ってるんです。

平尾 ミニスカートですか?

岡田 スカートの長さは短くなったり長くなったりのくりかえしでしょ。ようするに振り子なんです。コンピューターもそう。大型から小型になり、クライエントになり、また、データセンターになり、クラウドで大型(データセンター)に戻っている。インターネットはまだ新しいものなので、暗黒の世界に一旦行ってしまった。ハッカーそのものがくりかえしをやっている状態です。そのとき、くりかえしの土壌がセキュアな場所にならないといけない。それこそスカートの丈が変わるくらい平和なものにしないといけないんですよね。

(第2回に続く)

(提供:プラネットウェイ)

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